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2008年10月 5日 (日)

総理大臣の資質

総理大臣が1年の間に3人も変わるという前代未聞の状況が発生した。たとえ理由が何であれ、全身全霊を打ち込み命を賭して最後まで責任を全うするという気概が初めからないのであれば、総理大臣などに立候補しなければよい。
 さらに残念なことには、2~3世の世襲総理が4代も続くことである。世襲議員というのは、親の選挙区を引き継ぐため、何の苦労もなく、地元に住むことなく東京に住んでいて、地元の周りの人間に選挙を任せておいても当選するので、選挙の苦労を知らずに当選してきている。従い、世の中の厳しさ、苦労を知らずに代議士になっているため、ハングリー精神などみじんも感じられない。

 そうした中で、小泉首相は自民党をぶっ壊すと改革を進めて来たので、最近の首相の中では一応評価してきた。所が、最近引退を発表した。理由は子息を後継者にしようということである。せっかく評価した首相であにも拘わらずあれほど批判されている世襲を自ら行うのである。評価を見直さざるを得ない。

 最近のNBオンラインのコラムに載った記事で同じような論調の記事が2つ在るので紹介する。1つはコラムニスト「宮田秀明」氏の「小泉もと総理の引退はプロの引き際にあらず」である。一部抜粋して紹介すると、

 今度の小泉元首相の引退は、彼に対する評価を半減させたと思う。トップは常に孤独だし周りの政界は曲者だらけだったり、人間的に能力的にも問題の多い人物の渦巻く世界だろうから、嫌気が差すこともあるだろう。でもこんなふうに引退していいものだろうか。最後までプロであり続けようとした美空ひばりや野茂英雄の方がはるかに偉いのではないだろうかと思う。

 子息を後継者にしようとするのも評価できない。古い自民党を壊すと言っていたことと矛盾する。古い自民党の最もまずい体質の1つが政治家の世襲である。2世3世のおぼっちゃま政治家が増えすぎて、政治家の人材の劣化の進行が止まらないのに、小泉さんまで子息に世襲を行うのだろうか。自民党をぶっ壊した功績は大きかったが、これに対する評価を自分で半減させてしまった。
 小泉さんは無責任ではないかとさえ思う。もし改革路線を引き継ぐ後継者がたくさん育ってきている状況なら分からなくもないが、竹中さんも去り、旧態依然とした自民党に戻る流れが目立ち、新首相は無神経に小泉改革を否定し、古い政治スタイルを掘り起こそうとしている。

 一方で、日本経済は下降速度を早めている。貿易収支(20088)は赤字に転落し、国際競争力の低下傾向は変わらず、1人当たりの国民所得も伸びていない。物価は上がり、国民所得の疲労感は増え続けている。日本はかなり厳しい危機の中にあると言うことは明白だと思う。こんな状況で、プロの道から逃げ出すような引退は全く評価できないのではないか。闘士は最後まで闘ってこそ闘士だ。

 
もう1つは、同様にNBオンラインのコラム記事で「関橋英作」氏の「王監督を日本の監督にしませんか?」である。一部抜粋して紹介すると、

 
誰がなっても同じ。この言葉が日本の政治家すべてを物語っています。それほど、日本には人材がいないのでしょうか。もしそうだとするば、日本人にとってこれほど怖いことはありません。何といっても、政治家、特に総理大臣は日本の国のビジョンを体現化していなければならないからです。では、日本人は、日本がどういう国になってほしいのでしょうか。経済大国?世界の一流国?世界に貢献する国?環境を考える国?小さいけど楽しい国?みんなで作りあげる国?隣人と仲良くやれる国?みんなが中流の国?人それぞれでしょう。

 でも、大事なのはリーダーが明確なビジョンを持って、それに「責任」を持つ人であること。そうです、1年で総理大臣が3人も変わるような国は、責任という言葉から最も遠いような気がします。そして、もう一つのリーダーの資質は、国民一人ひとりの心の中を感じ取れること。日本人がもともと持っていた「気遣い」です。総裁選で地方に行って、地方は疲弊しているなどと今ごろ話すような人では、気遣いとは縁が薄い。私はこういうことが本当の意味でのコミュニケーションの力だと思っています。それが著しく欠如している。ただ、大きな声で面白いことを言うことだけが、コミュニケイーションではありません。相手のことを念頭に置きながら話す。そうすれば、失言などあるはずがない。こうやって書いていても、寂しくなるばかりです。そこで、あえて王監督のことを考えてみました。引退を宣言され、もうあのユニフォーム姿を見ることはできません。

 「総理の人格」こそが、今最ももとめられることなのだと思います。総理が辞めても何も感じないのが当たり前のようになりましたが、王監督の引退には多くの選手が熱いコメントを寄せいます。

 イチロー選手 「同じ空間にいたことが僕に取っての宝物」
 松坂選手 「この監督のためにと思わせてくれる人柄」
 城島選手 「野球界の父のような存在」
 福留選手 「人を引きつけ不思議な魅力のある人」

 福岡ドーム最後の試合では、ファン全員が「やめないで!」と声をからしました。関東の最後の試合ロッテに行ってきましたが、ロッテの選手全員が握手を求めるセレモニーを行いました。相手チームの監督としては、異例のことです。
 「やめないで!」。こんな総理は、日本には現れないのでしょうか。王監督の人格が、日本という国のブランドをすばらしい人格に変えるかもしれないからです。そうなったときに、日本は大好きな日本になるかもしれないからです。今回は、マーケティングの話からずれましたが、「王さんのファン」のつぶやきと思って許して下さい。でも、王さんの真価は、誰とでも心を開くコミュニケーション力にあるのでしょう。これこそが、社会を変える力。

 
上記に引用した記事の原文は、私のホームページのリンク集の中に載せていますので読みたい人は、参照下さい。

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