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2010年1月の記事

2010年1月25日 (月)

鳩山政権の「コスト意識」欠如

昨日、名護市長選挙が行われた。普天間基地移設問題については、鳩山首相は結論を先送りし、甘い言葉を吐いていたので、移設反対派が勝つのではないかだと思っていた。案の定その通りとなった。これにより米軍の普天間基地移設問題は益々混迷を深めることとなったと。多分、5月までに結論を出すことは難しいと思われる。鳩山政権の大きなトゲとなってしまった。まさに自業自得である。この結果、今後この問題解決に莫大な予算をつぎ込まざるを得なくなることが予想される。これも国民の負担として跳ね返って来ることをどれだけ真剣に考えられているのだろうか?

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25日付NB onlineで吉田鈴香氏が述べている鳩山政権の「コスト意識」欠如と言う記事がある。この記事でも、救い難い・・・鳩山政権の「コスト意識」欠如っぷり・・・をいろいろと例をあげて述べられている。少し引用すると、

鳩山連立政権が採った方針は、どの案件も財政に一層の負担を増やす方向に転んでいる。その代表格が、郵政の再国営化、普天間問題、JAL問題だ。

郵政問題は、民営化と共に予定していた株の売却はもはや実行できず、
政府は人件費など維持コストの1兆円を毎年少なくとも投入し続けることになった。預け入れの上限額1000万円を引き上げとの案まで出ている。市場を無視して資金を集め続けそれを自前で浪費していく悪循環モデルへと、悪夢は拡大している。民間銀行にとっては民業圧迫、自由な競争市場をあえて政府自身の手で握りつぶしている。民営化を停止し株式売却益を失い財政負担を増やすばかりか、金融市場を歪めることで民間の負担まで増やす方向である。

普天間問題では、普天間基地から米軍が出て行かざるを得ないとなると、日本のどこかで新しい基地を一から建設することになる。日本は海岸線にぐるりと囲まれた国だが、漁業権も設定されず、基地を沖合に建設できる海は、実は辺野古だけである。ジュゴンの生息が理由で漁業が禁止されていたために、漁業権が発生しなかったのである。そのほかの海は、どこにも漁民がおり、彼らの漁業権を買い取るとなると、交渉を含む大変なコストがかかる。加えて、近隣対策、住民対策、移転費用、といったコストが、この先どれだけかかるのか、もう想像もできない負担だ。軽く見積もっても「兆」に達する額だろう。これに言及する政治家はいない。
甘言で夢を振りまくように見えて、結局は将来の国民負担をばらまいているのである。

JAL
問題は、前原大臣が就任直後すぐに取り掛かったが、9月に自民党政権下で政府チームが作った再生計画があったのを、前原大臣が受け入れを拒み、周知の通り、タスクフォースチームに再生計画を練らせた。12月には、4000億円を貸し出した政策投資銀行は政府保証を求め、貸出金利も上がったために、JALは利益をさらに上げなくてはならない状況に追い込まれた。何より痛いのは、10月時点で乗客がJALから離れ始めたことである。「JALが危ない}との評判が立ってしまったがゆえの、ある種の風評被害と言ってもいいかもしれない。そのためにタスクフォースの再生計画の前提が崩れ、なし崩し的な追加融資が毎月必要な事態に陥ったのである。見込まれた利益の喪失、JALへの無尽蔵の融資と資本投入を生んだのは、前原大臣がその件を預かった10月の「空白の1ヶ月」であった。この1ヶ月の機会損失はどれくらいになったか、明らかであろう。彼もまた、自らのメンツと独自性にこだわり、コスト意識を持たなかった。おまけに、JALの破綻処理によってJALのメインバンクである日本政策投資銀行に損失発生し、本来であれば数年後には得られていたはずの民営化収入まで失われてしまった。JALのような、大型の緊急資金需要がある案件へと公的資金注ぎ込むために、民営化することになっていた政策金融まで元に戻してしまったのである。どこまで2次負担が広がるのか、想像もできない。

以上のように鳩山政権は、至る所で「コスト意識」が欠如している結果、今年度のの予算案は前代未聞の高額である92兆円を越す値となった。税収でまかなわれるのは37兆円、赤字国債44兆円、埋蔵金11兆円、と自民党時代より財政状況が悪化してしまった。これでも、マニフェストで約束した、高速道路の無料化、暫定税率廃止によるガソリン税の減額は含まれていない。事業仕分けを行ったのはわずか15%だけである。全ての分野で事業仕分けを行い徹底的に無駄を排除し、もっと予算を減らすべきである。さもないと、年頭所感で述べたいわゆる「Xデイ(運命の日)」がもっと早くやって来ることになる。
今回引用した吉田鈴香氏の記事全文は私のホームページのリンク集に載せているので、興味があれば開いて読んでみてほしい。

2010年1月 4日 (月)

2010年 年頭所感 「Xデイ(運命の日)」

1990年バブルが崩壊して昨年で20年が過ぎた。前半の10年は言わずとしれた「失われた10年」であり経済を回復軌道に戻そうとして箱物を中心とする公共投資に毎年莫大な予算がつぎ込まれた。にも拘わらず、砂漠が水を吸収するが如く金が吸い込まれるだけで経済は回復軌道に乗らなかった。この間に、就職氷河期がおこり、大手金融機関が相次いで破綻した。

後半の10年いわゆる00年代には小泉政権が誕生し大手金融機関の不良債権を一掃さすため公的資金が投入され不良債権処理は早まり金融機関の経営が安定した。景気も緩やかな回復軌道に乗り、00年代半ばには就職氷河期は一旦おさまった。国家財政についても赤字国債発行の比率が減少し、プライマリーバランスを2011年迄に収支をゼロにする目標が設定されるまでになった。この後も経済が緩やかであれ回復基調が続けば、00年代には過去の失われた10年は解消するかのように思われた。

所が2007年夏頃から、米国の「サブプライムローン」に絡んだ問題が世界の金融市場を大きく揺さぶりはじめた。日本にも影響し、経済成長率が当初の計画より鈍りはじめてきた。この結果、プライマリーバランスを収支ゼロにする計画にも赤信号がともり始めてきた。ちょうどこのブログで記述している2008112日頃である。

そしてこの問題が大きく火を噴いたのが、2008915日に起こったリーマンブラザーズの経営破綻に端を発する経済危機である。100年に一度と言われる経済危機に発展し、日本にも大きく影響し経済の回復基調はいっぺんに吹っ飛び奈落の底に落ちてゆく状態となった。全ての経済指標は急降下、就職氷河期の再来、失業率の増大、企業の業績悪化(特に世界の超優良企業と言われたトヨタ自動車が赤字に転落した)、政府による緊急大型の財政出動にも拘わらず回復は道半ばである。 この結果00年代においても「失われた10年」を脱却することが出来ず継続する形となり、「失われた20年」となってしまった。

そして昨年(2009年)は、待望の政権交代が行われ不況からの脱却、閉塞感に満ちあふれる日本社会の改革、等々が期待された。私が特に期待したのは財政における無駄を徹底排除し、赤字国債に頼らない予算編成であった。政権公約を説明するに当たり財源をどうするのかとの問いに対して、無駄を省いて財源を捻出するのみの説明で大幅な赤字国債を発行することなど一言も言及されなかった。所がいざ蓋を開けてみると、無駄の排除が徹底されず、公約実行の予算、等々で財政規模が大きくふくらみ、赤字国債を44兆円、更に霞ヶ関埋蔵金を10兆円当てなければならなくなった。この結果日本の累積債務は900兆円を越す値となることが予想される。

前置きが長くなったが、年頭所感の本論はここからである。最近の経済論で国の借金が増大し、やがて家計が持つ金融資産とイコールとなる「Xデイ(運命の日)」がささやかれ始めて来ている。一つは、1228日のNBonline記事で龍谷大学経済学部教授の竹中正治氏が述べている、政治が無策で現行のまま進むようであれば、家計ネット金融資産と政府ネット負債がイコールとなる「Xデイ(運命の日)」が遅かれ早かれ必ず到来する。地球温暖化問題などより早く確実にやってくるとの予測である。根拠とされるデータを以下に添付する。
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 このデータから行くと、2030年代初頭には「Xデイ(運命の日)」が到来することになる。
もう一つは、1230日の日経新聞の一面の記事「家計の貯蓄頼み限界」である。この記事を引用すると「政府が家計の貯蓄に頼って借金を重ねる構図に限界が見え始めた。政府の負債残高が膨張し、9月末は家計資産に対する割合は66%まで上昇した。これは過去最高の水準だ。今後も政府負債の膨張は止まらず、2020年ごろに家計資産を逆転する可能性もある。家計の貯蓄率は少子高齢化でマイナス転落が視野に入り、家計資産も減少に向かう可能性もある。家計の高貯蓄率という日本経済の強みが薄れつつある。」、日経新聞に載っているデータを以下に添付する。

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以上のように、政府が財政再建について無策で危機感のない状態がが続けば、2020~2030年の間に「Xデイ(運命の日)」が確実に到来すると予測される。今年はデフレが予想され、これを断ち切り景気回復に結びつけるには更なる財政出動が不可欠であるにも拘わらず消費税導入は今後4年間凍結であり、税収増加の見通しも立っていない。従い、来年度予算に於いては霞ヶ関埋蔵金が底をつく現状では、今年以上に赤字国債を発行せざるを得ないと推測される。今年の44兆円+霞ヶ関埋蔵金10兆円=54兆円以上になると予測する。このペースで行けば、後10年後即ち2020年前後に「Xデイ(運命の日)」が来るのではないかと思われる。

日本の国債に対する格付けが大幅に下落し、円が暴落、超インフレの到来、戦後の混乱期のような状態、等々が予測される。しかし、実際どうなるのかわからない。
それでは、財政再建の道は残されているのであるだろうか?既に累積債務は900兆円になる膨大な額であり通常に考えると不可能なレベルである。

日本の全ての分野から叡智を集め集中的に解決策を見いだすべきである。その一つは、このブロブでも述べた、竹中正治氏のNBonline記事「もう鳩山首相をあきらめる?」の中で述べられている「財政再建と景気対策は両立可能だ」というコメントである。マクロ経済の入門レベルの知識として数式を使って解説されている。このコメント全文は、私のホームページのリンク集の中に載せているので、興味があれば開いて読んでみてほしい。

以上述べたように「Xデイ(運命の日」が近づいて来ていることを全国会議員が認識し、経済・財政政策を進めて行ってもらいたいと願うものである。

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