予測を超す東北関東大震災に思う
3月11日午後2時46分東北関東大震災が発生した。過去の経験則から推測される地震対策を遙かに越す事象が多々発生し未曾有の大災害へとなっている。
まず第一は、昔から言い伝えられている「災害は忘れた頃にやって来る」という言葉に反して、最近は記憶が忘れられないうちに次々と災害がやって来ていることである。
直近の災害は、2004年12月26日に発生した「スマトラ沖大地震」である。この時はシンガポールに住んでいた。ちょうどクリスマス休暇であり、この休暇を利用してタイのプーケットへ旅行をしようとホテルの予約を行った。欧米からの予約が殺到しホテルの予約が取れず、次の休みである年末休暇の予約となった。当初の計画通りに予約が取れて行っていたらと思うと背筋が寒くなる思いをした。結局この時は、大災害となり旅行はキャンセルとなった。
その前は、1995年1月17日に発生した「阪神淡路大震災」である。この時は交野の自宅に住んでいたが、年末から海外出張に出かけ、香港、バルセロナ、ロンドン、とまわる約2週間強の出張を終えて帰宅し、年始の初出勤をする日の朝であった。電車が動いていなくて車で出勤しようとしたが大渋滞に巻き込まれ動けず、一旦家に帰り電車が動き出すのを待って出勤した。結局会社に着いたのは午後の1時頃と記憶している。
第二は、地震の大きさマグニチュードの予測である。過去日本の周辺で発生した地震の大きさから推測しそれを少し上回るマグニチュード7.5~8.0を想定して対策がたてられていた。
昔から三陸地方は、たびたび津波の被害に遭っていることから、津波対策は万全であると言われていた。その根拠とする値はマグニチュード7.5~8.0から発生する津波の大きさであり、防潮堤の高さはせいぜい10m程度に設定されていた。所が今回の地震はこの予測を大きく越えるマグニチュード9.0、津波の高さは未だ正確には検証されていないが20~30mとも言われている。更に地震の範囲も想定を遙かに越す南北500km、東西200kmで東北から関東に渡るものとなり未曾有の大災害となった。今後発生が予想される東海、東南海、南海地震、これらが連動して起これば今回の地震に匹敵する規模になること間違いなく、今までの震災対策の見直しが急務となって来た。関西を含め西日本地域が甚大な被害を受けることが予想される。
第三は、原子力発電の地震対策である。地震の震度に対する対策はある程度予測を立てなされていたようであるが、津波に対する対策は充分なされていたのだろうか?
福島第一原発の被害状況から推測されることは、地震発生直後の巨大な揺れに機器は耐え原発は自動停止したようであるが、その後に発生した巨大津波により電源系統が破壊され、自動停止した原子炉の冷却、使用済み核燃料プールの冷却、等々を行うポンプが作動しなくなり大きな事故へとつながって行ったようである。やはり此処でも巨大津波に対する対策が想定していた値以上となり大惨事となったようである。現在日本に存在する原発は、水を使用することから全ての原発が海岸端に設置されている。今回の事故を教訓に、原発は震度と共に津波に対する対策も併せて見直される必要がある。東海、東南海、南海地震で想定される原発は、中部電力の浜岡原発、四国電力の伊方原発である。少しましなのは関西電力の原発は全て日本海側にあることである。しかし油断は許されない、地震はどこで発生するか予測不可能であるから。
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