イチローヤンキースへ電撃移籍に思う
7月24日、イチローのヤンキースへの電撃移籍が発表された。まさかと、一時は耳を疑った。しかし、大リーグの場合その年のプレイオフに備えて、必要な選手を7月末までにトレードで獲得する事が行われる。その一環であると考えれば、何も不思議な事ではない。
ヤンキースは間違いなく今年もプレイオフに進出する。所が、レフトを守る俊足で守備力にすぐれたガードナーが怪我で今季絶望となり、代わりとなる選手を必要としていた。
一方、マリナーズの方は今季既に西地区でトップから16.5ゲーム離されプレイオフ進出という目標は絶望的である。従い、シーズン半ばであるにも関わらず、来季に照準を合わせ、20代前半の若手選手を多用し経験を積ませる方針に転換している。
イチローは、こうした若手中心で運営されるマリナーズの中に38歳という自分が残っていると、その分若手の枠を自分が奪うことになり、来年以降自分がいるべきではないのではないかと考え苦悩していたようである。
こうした両方の要望、思いが一致し、電撃トレードとなった。しかし、イチローに取っては覚悟の決断であり、新しい挑戦であったようである。
名門ヤンキースへのトレードといえば聞こえは良いが、実はその裏に厳しい現実が待ち受けていたのである。即ち、イチローはこのトレードを受け入れるに当たって、過去の栄光を全部かなぐり捨てヤンキースの条件を受け入れトレードが成立した。
今回のヤンキースの補強は、プレイオフを見据えた今季限りを意味するもので、来季もイチローと契約する保証は何もない。38歳のイチローが来季以降もヤンキースと契約しようとするのであれば、これから半年間プレイオフも含めて3割前後の打率を残す必要があると思う。
イチローの年間200安打以上と言う記録は昨年10年で途切れた。今年も、打率は2割6分と低迷している。イチローはこの低迷を打破するために「環境を変えて(即ち優勝が狙えるチームに移り)、モチベーションを上げ再度自分の力をよみがえらせたい」と考えた。これがあえてイチローが選んだ厳しい道であり、新しい挑戦である。
イチローには、なんとしてでも大リーグで活躍し続けてもらい、ピートローズが持つ生涯通算安打記録4,256本を破ってほしいと思っている。イチローの記録は7月25日現在、日米通算3,814本である。従い、ピートローズの記録を破るためには、あと最低3年は一流選手として試合に出続け活躍することが求められる。
過去のイチローの野球に取り組む姿勢から判断すると、イチローならば必ずこの挑戦を成し遂げ記録を達成してくれるものと確信している。頑張れイチロー!
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