国際大会なくして日本の野球に未来なし
8月21日付け日経電子版に野球評論家の広澤克実氏が表題と同じ名の評論文を発表している。表題が意味することについては大賛成である。従い、題名についてはそのまま借用させてもらうが、内容はオリジナルである。
野球の国際大会としては、オリンピック、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、アジア選手権、等々があったが、今回のロンドンオリンピックから野球は採用されなくなった。そして、ここに来てWBCについても日本プロ野球選手会が来年のWBCへの不参加を決めた。選手会の言い分にも一理あり理解出来ないこともないが、過去2回のWBCで日本が活躍した記憶が生々しく残っているので第3回大会に不参加ということであれば、野球ファンに多大な失望を与えることは間違いなく残念である。
そもそも何故選手会が、参加不参加という問題に立ち入らねばならなくなったのか理解出来ない。こう言う問題については、日本プロ野球機構(NPB)がWBC側と交渉するべきであり、選手会をこういう問題で悩ませるべきだはない。選手会には野球そのものに専念できる環境を作ってやるべきである。
5月9日付けのブログでも述べたが、日本の野球レベルと米国の野球レベルの間には、大きなレベル差がありこの差は一朝一夕には縮まることはない。従い、日本で活躍する一流選手は絶えずより上位の野球である大リーグを目指す動きは今後も続くだろう。それどころか、日本の有力新人選手については大リーグが直接スカウトするということが起きている。レッドソックスの田沢投手はそのいい例である。いわゆる日本パッシングが起こっているのである。
NPBは、日本の野球の継続的発展についてもっと真剣に考える時期がきていると思う。現在、テレビによる野球中継は激減している。野球中継しても視聴率が上がらないからである。日本の各球団の収益をトータルした値はここ15年間伸びていない。NPBは、リーグ全体を共通ビジネスとして捉え、如何にしたら全体として利益があげられるようになるのかを考え、共通の利益が上がれば各球団に均等に配分する方法を考えるべきである。その一つである野球の放送権は、NPBが一括して管理し、希望するメディアとはNPBが直接交渉するというMLB方式を取るのも一つの方法である。
日本に於ける、野球に対抗する最大のプロスポーツはサッカーである。サッカーの場合、Jリーグに加えて国際大会として、ワールドカップ、オリンピック、欧州選手権、クラブワールドカップ、等々がありこれらの国際大会がサッカー人気を支える大きな原動力になっている。
野球に於いても国際大会に積極的に参加し、オールジャパンとして活躍することにより日本野球の良さ(投攻守の総合力で勝ち抜く)がアピール出来、野球の人気を側面から支えられるものとなると確信する。国際大会に参加せず国内の試合のみで満足しているようでは、やがて日本野球の衰退につながって行くのではないかと危惧するものである。
従い、NPBはもっと真剣に現在の日本野球界の現状を把握し、NPBが一丸となって国際大会に参加することを推進して行くべきである。選手会にこうゆう問題を委ねるのではなく、NPBが引き取ってWBC側と条件交渉を行い、国際大会参加への道筋をつけて欲しいと願うものである。
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