日銀の消極的姿勢は変わらないのか?
日銀は1月22日の政策決定会合で、2%の物価上昇目標を導入し早期の実現を目指すほか、2014年から無期限の金融緩和を行うことで政府と共同声明を発表した。
この発表のあとのマーケットの反応を見ると、円相場も株価も一瞬大きく良い方向に振れたが、1時間後には、また元の値に戻りさらに逆方向へ円高・株安へと振れてしまった。
日銀が政府の要請を受けて物価目標と追加の金融緩和策を決定したのは良いが、もう一つ日銀の態度に信用が置けないと言うのが私の本音である。政府に要請され渋々行ったのであって日銀自身の積極的な姿勢がまったく見えない。
その証拠が、今回即時に金融緩和を行うべきと市場は期待していたにも関わらず実施を2014年1月からにした。更にその内容も「2014年中に資産買い入れ基金の残高が10兆円程度増え、それ以降は維持する」という内容である。市場の期待は、「無期限・無制限に資産を購入」するというものであり、結果として市場の期待を裏切る形となってしまった。
昨年から、日銀の脱デフレ・円高対策についての対応には疑問を持っていた。昨年4月2日のブログ、日銀は「本気」か? 更には、昨年5月5日のブログ、日銀はもっと積極的施策を! 等々でその日銀の「事なかれ主義」を批判して来たが、やはりこの体質は今でも変わっていないのである。
そもそもリーマンショック後、急速な超円高になったのは日銀が直後に何も手を打たなかったのが一因であると思っている。
イングランド銀行、欧州中央銀行、米国のFRB、それぞれリーマンショック後に、即大胆な金融緩和を進めたが、日銀は動かなかったため資金が円買いに流れ円の独歩高になった。結果、日本の空洞化が進み、製造業の衰退が加速した。
日銀の消極姿勢については、米国のエール大学の名誉教授であり、日銀の白川総裁の恩師でもある浜田宏一氏が昨年から厳しく白川総裁の政策運営を批判していた。今朝のフィナンシャルタイムスの記事でも、日銀の対応は生半可であり、デフレ脱却への強い姿勢が見られないと批判している。
今の日銀のメンバーでは、「事なかれ主義」を変えることは出来ないと思われるので、もっと積極的にリスクを恐れず大胆な政策が打ち出せる人事にすべきだ。今年4月が総裁の任期であり、もっと積極的な人を総裁並びに委員に選び、確実に円高・デフレを克服し、日本再生へと繋いで行って欲しいと願うものである。
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