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2013年2月の記事

2013年2月21日 (木)

日航を再建した稲森氏の迫真ルポを読んで

現在、日経新聞で日航の再建に取り組んだ京セラ会長の稲森氏の迫真ルポが進行中である。1~2回を読んで見たが驚きの連続である。

もともと稲森氏はJALが大嫌いであった。それは「客室乗務員もカウターもマニュアル仕事、丁寧だが心がこもっていない。高学歴の幹部は自負心が強いくせ、政治家や官僚にはペコペコする」と言った点である。

JAL再建を引き受けたのは、民主党前原氏の再三の依頼によるものである。最初は、「自分は運輸の素人。お門違いや」と追い返した。稲森氏は自問自答を繰り返した「この年齢で再建の激務に耐えられるか」。しかし、答えはすでに出ていた。JALがつぶれると3万2千人の雇用が失われる。日本の航空業界に健全な競争がなくなる。日本経済に悪影響がでる。「JAL再建には大義がある」として受諾を伝えた。

私が現役で仕事をしている時は、JALそしてJAL系のホテルをよく利用していた。シンガポールと日本の往復は公私を含めると数十回にも及んだが、ほとんど全てJALを利用していた。そしてホテルと言えばJAL系、ホテル日航ロンドン、ホテル日航バリ、ホテル日航大阪、ホテル日航金沢、JALシティー田町、等々非常に多く利用していた。

何故かと言えばJAL系は値段が高かったが、ナショナル・フラッグを付けた超一流企業と思って安心を買っていたからである。いまから思えば大間違いであったのかなと反省せざるを得ない。親方日の丸の高コスト体質に加えてガバナンスの欠如が重なり倒産に至ったと思っている。

新聞を読まれ、ご存じの方もおられると思うが、迫真ルポの中身を一部紹介すると、

1.2010年春、東京都品川区天王洲アイルにあるJAL本社25階の役員会議室。会議はいつもの通り淡々と進んでいた。だが10億円程度の予算執行について説明する役員の話を、会長の稲森和夫(81)が突然、遮った。   

「あんたには10億円どころか、一銭もあずけられませんな」

部屋の空気が凍り付く。総勢30人の役員、管財人は息をのんだ。説明中の執行役員が、ささやかな抵抗を試みた。  

「しかし会長、この件はすでに予算として承認をいただいております」

雷が落ちた。

「予算だから、必ずもらえると思ったら大間違いだ。あなたはこの事業に自分の金で10億円つぎ込めるか。誰の金だと思っている。会社の金か。違う、この苦境の中で社員が地べたをはって出てきた利益だ。あなたにそれを使う資格はない。帰りなさい」

この日を境に「消化する」という官僚的な思考が潜む「予算」という言葉がJALから消え、すべて「計画」に置き換わった。

2.JALは2010年1月に会社更生法の適用を申請した。だが官民ファンドの企業再生支援機がスポンサーについたため、一便も運行を止めていない。社内に「つぶれた」という自覚が薄かった。官僚的な思考が抜けないJALの役員に対して稲森はあえて厳しい言葉使いをした。

「あなたたちは一度、会社をつぶした。本当なら今ごろ、職業安定所に通っているはずだ」

等々、こう言った具合にJAL幹部に対して稲森流経営哲学を懇々と説いて行ったのである。

話は変わるが、JALのような高コスト体質の企業と言えば、独占企業で競争のない所に生まれて来る。そのいい例が、電力会社であり、NHKである。

電力会社は今原発が停止している所が多く、不足を火力発電で補うためLNGを輸入せざるを得ず赤字が拡大している。どの電力会社も値上げ申請を行っているが、私の目から見ると人件費の削減がまだまだ充分でないと思っている。社員一千人以上の大企業の平均年収は約600万円であるのに対して、電力会社の平均年収は約800万円である。更に、LNGの購入価格も足下を見られ非常に高い価格で購入している。ヨーロッパの4倍、米国の8倍とも言われる価格である。仕入れ価格に対して努力が足りない。

NHKに於いても現在改革が進められている。基本賃金を今後5年間で10%削減、管理職の登用試験を新設、地域の給与体系を踏まえた給与体系、等々である。これを聞いて何を今更と耳を疑った。

よく内容を精査してみると、今までの制度があまりにも非近代的であり、ほとんどの人が聞いたらあきれる内容である。NHK職員の平均年収は約1185万円、厚生費などを含めた人件費は約1780万円、給与体系はいまだに年功序列で横並び、都会と地方の給与も全く同じ、まさに親方日の丸のなせるワザである。

NHKは、独占企業であり倒産の心配はなし、売り上げは自動的に入ってくる、一部交代制勤務はあるものの休みはきちっと取れる、夏休みも1~2週間交代で取れる、今現に苦しんでいる中小企業からみると天国と地獄の差である。

総務省はもっと本腰を入れて改革を進めさせるべきである。現在、日銀の総裁の人事にのみ焦点が当たっているが、NHKの会長の人事についてももっと経営に厳しい、土光敏夫氏、稲森和夫氏、と言ったような人を当てるべきである。

2013年2月11日 (月)

ラグビー日本選手権 注目の一戦 結果は?

昨日、東京・秩父宮ラグビー場でラグビー第50回日本選手権の準々決勝で私が注目する一戦、パナソニック対帝京大学の試合が行われた。

何故注目したのかと言うと、パナソニックは言わずと知れた「元三洋電機ラグビーチーム」であり、企業の吸収合併により所属がパナソニックに変わったものの私自身とっては三洋電機時代の郷愁の残るチームであり、トップリーグの試合からずっと注目して試合を見てきたからである。

一方、帝京大学は今年大学選手権で4連覇を果たし、大学チームとしては史上最強と目され、この日本選手権に臨んできたチームである。

事前の噂に違わず帝京大学は1回線で、全国クラブチーム大会覇者の六甲ファイティングブルと対戦したが、1155という圧倒的スコアで大会最多得点記録を更新して勝利した。

特に注目したのは、トップリーグの4強と言われるパナソニックに対して史上最強の大学チームがどこまで善戦するのか? あるいはひょっとしてトップリーグの4強に勝つのではないか? と思われたからである。

試合は、前半の20分までにパナソニックが3トライをあげ、190でリードした。この時は、このまま大差がついてパナソニックが楽勝するのではと一瞬思わせたが、さすがに帝京大学も盛り返しし2トライをあげ、結局前半は1914の接戦で終わった。

後半に入ると、前半善戦した帝京大学にやや疲れが見え始めたのか、パナソニックがほとんど相手陣地で試合を展開する圧倒的な攻撃で連続5トライをあげ、350でリードした。試合終了間際に、帝京大学に1トレイを許すものの後半は、357で終了した。

結局、最終結果としては5421というスコアでパナソニックの圧勝に終わり、史上最強と言われた大学選手権覇者に対してトップリーグ4強の力の差を見せつける結果となった。

次週は、昨年の日本選手権覇者サントリー対パナソニックの準決勝となった。パナソニックは、帝京大学戦に於いては次週の試合を見据え、主力のメンバーを温存して休ませ控えの選手で闘う余裕があったので、次の試合王者サントリー対パナソニック戦が楽しみである。

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