日銀の異次元金融緩和についての感想
安倍政権の強力なリーダシップのもと日銀のレジームチェンジ(体制転換)が動き出した。即ち世界が注目する異次元の金融緩和策が打ち出された。これに対して世界からの反応は7割方指示と賞賛である。残りの3割は副作用を懸念するものである。
昨年来、このブログでも日銀の消極的姿勢に業を煮やし再三再四批判を繰り返してきた。それは日本の置かれた厳しい現状からどうしたら脱却出来るのか模索していたからである。
アベノミクスが始まる前の日本の置かれている政治・経済状況は戦後最悪と言っても過言でないくらい厳しい状況であった。
言うまでもなく、1990年のバブル崩壊後の失われた20年、15年続くデフレ、リーマンショック後の超円高、未曾有の大震災によるエネルギー不足、政府の持つ累積債務1000兆円、等々このまま続けば日本崩壊(沈没)に繋がる状況下であった。
こうした厳しい日本の現状を少しでも良い方向に向かわせようとアベノミクスがスタートした。アベノミクスの3本の矢のうち、金融政策、財政政策、という2本の矢は機能し始め、円安・株高へと進み出している。
アベノミクスがスタートしてから約4ヶ月が経過するがその結果、円では1US$=\78から1US$=\96へと約23%の円安効果、株価では日経平均 \9,000から \12,800へと約42%のアップ効果、と日本経済を押し上げ、デフレ脱却の方向へ向かい始めている。
これだけで安心するわけにはゆかない。最後の1本の矢である成長戦略が機能し始めてこそ日本経済の復活そしてデフレ脱却が確認できるからである。
成長戦略が機能し始めるキーとなる要素は、規制緩和、TPPへの参加、イノベーションであると見ている。これらのキーとなる要素が働くことにより、企業の設備投資の加速、収益力のアップ、雇用の拡大、賃金のアップ、へと繋がりやがては基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字脱却へと進めば理想的な展開と言えるのであるが、そう簡単に行くとは思っていない。
これからまだまだ一山も二山も越して行かねばならないハザードが待ち受けているのである。既得権益を握る各省庁(官僚)による規制緩和阻止、TPP参加を骨抜きにしようとする勢力、アベノミクスを好ましくないと思っている野党勢力そして評論家、等々である。
しかし、今回の異次元と言える金融緩和策は強力なアベノミクス推進の一翼を担う物であることは間違いなく、日本経済再生、デフレ脱却、の強力なバックグラウンドとなるものであると信じている。
為替介入という世界から強烈な批判を受ける手段を使わずして、超円高をここまで克服出来たことは、これ一つとって見ても非常に評価出来ることであると思っている。アベノミクスの更なる発展を応援して行きたい。
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