政治の安定と首相のリーダーシップ
このところの安倍首相の活躍は目を見張るものがある。まさに光り輝いているといっても過言でない。内政は言うまでもなくアベノミクスが順調に進んでおり、うるさ型の評論家も何も文句をつけようがない状況である。アベノミクスをアホノミクスと称していた大学教授・評論家はどこへ行ったのか?
円高は、日本の国益であり1ドル=¥65まで進むと豪語していた元財務相の高官はどこへ言ったのか?
外交においても、獅子奮迅、疾風怒濤の活躍である。中国を俯瞰する国々との連携協定と経済支援の確約、国連に於ける積極的平和外交と従軍慰安婦を念頭に置いた女性重視の演説、原発汚染水に対する明快な回答によるオリンピック東京招致の成功、APECでの中国を牽制する法に則った紛争解決の提言、TPP交渉に於ける日本のリーダーシップの発揮、等々上げればきりがない。
首相がこうしてリーダーシップが発揮できる状況になったのは政治が安定しているからである。内政に足を引っ張られることなく外交に専念でき、日本の主義主張を堂々と海外へアピール、更には日本国株式会社のトップセールスマンとして日本のインフラ技術の海外への売り込み、等々を鑑みると、“政治の安定が如何に大切であるか” を痛切に感じさせられているこの頃である。ほんの数年前と月とスッポンの違いである。
今まさに、これと対照的なのが米国である。上院と下院のねじれにより、内政の諸問題に足を引っ張られ、これを早急に解決しなければ海外への影響も計り知れず、外交へ目を向けるどころではないのである。オバマ大統領は海外へ出て行こうにも出て行けない状況に追い込まれている。
APEC、TPP、アセアン+3と重要な国際会議が目白押しであったにも関わらず欠席となり、米国の威信が地に落ち、一方中国の存在感が増したのである。ここで、自由主義陣営のもう一方の雄である日本の安倍首相の会議での積極的な発言がなければ、中国の一人勝ちになっていたのは明白であった。
しからば、政治の安定は如何にしてもたらされたのだろうか?ほんの1年前今日と同じ日に誰がここまで政治が安定することを予測出来たのだろうか!
2006年9月に発足した前回の安倍内閣が参議院選挙で惨敗後、衆議院と参議院のねじれが発生し、与野党の足の引っ張り合いで内政の混乱が約6年間続き、毎年首相が交代するという前代未聞の状態が続いた。この6年間はまさに日本の政治にとって悪夢のような6年間であった。
特にひどかったのが鳩山政権であり、ガラス細工のように積み上げ合意間近であった、沖縄の普天間基地移設問題を粉々に粉砕してしまい、今もこの問題解決に道筋が見えていない。まさに万死に値する行為であった。
国会に於いては、決めごとが決まらず国益を損なう連続であり、経済は低迷、税収は落ち込み、国家予算は赤字国債に頼るのみで、国の借金はついに1000兆円を超してしまった。
この状態が解決されない限り、日本がデフォルトに陥るのは時間の問題であり、一個人がどうすることも出来ずあきらめの境地であった。所が、アベノミクスの効果による円高の是正、株価の大幅上昇、何か希望の光が見え始め出したのである。ちょうど時を同じくして、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙のコラムでアベノミクスは日本経済再生の最後のチャンス(このブログの4月9日付けで言及)を読み私の諦観が少し和らいだのである。
安倍首相の構想力・決断力の源は、従来の自民党内閣と違い派閥勢力に担がれた首相ではなく、独自の発想で適材適所の人事を敢行し生まれた優秀な内閣官房にあると見ている。そして、自民党のNO.2 である幹事長が無派閥であること故、閣僚・政務官人事に於いても派閥順送り人事をする必要がなかったことも良い結果に結びついていると感じている。
さらに、日銀総裁人事に関してもリフレ派の総裁・副総裁を選任し、アベノミクスの進捗に大きく貢献している。また、安倍首相のスピーチライターとしては、元「日経ビジネス」の記者で英語に堪能な上、「日本人として言うべきことはきちんと言わなければならない」が持論だと言う人を選任している。ここから「Buy my Abenomics」とか「Japan is back」等々、米国の名セリフをもじった演説内容が生まれてきている。
しかし、デフレを脱却し持続的な景気回復、財政再建と言った課題に対しては、まだまだ道半ばである。これからも修羅場が続く政権運営に立ち向かわねばならない。ますます首相のリーダーシップが求められる、是非頑張って失われた20年、15年続くデフレ、等々から日本を救い出し、再建を果たしてほしいと願っている。
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