「トップ3への道程」 はまだまだ遠い先だ!・・・錦織圭
今年の 念頭所感 (クリックで繋がる)の中で、今年活躍する期待のスポーツ選手、チームを取り上げていた。その中にテニスの錦織圭もいたのである。その錦織圭が今年のテニス・グランドスラム最終戦全米オープンで大ブレーク決勝まで進んだのである。優勝するのではと淡い期待を抱いたが準優勝止まりであった。この結果、ランクは自己最高位トップ8となったのである。しかし、世界ランクトップ3と呼ばれる領域に達するまでの道程はまだまだ遠い先にある。今後の精進を期待しトップ3を目指して頑張って欲しいと願っている。
全米オープンが始まる約3週間前の8月4日、錦織圭は右足親指の嚢胞(のうほう)を摘出する手術を受けたのである。その直後、錦織圭は
「足の裏なのでまだちゃんと歩けないですし、動き出せるまでに少し時間はかかるので体力面とかすぐ戻せるか心配です。できればUSOPENには間に合わしたいと思っていますがどうなるかは分かりません。焦らず今はしっかりリハビリしていきます。」
とコメントしていたのである。
こういう状況であり、全米オープンに出場できるのかどうかも危ぶまれたのである。従い、例え出場出来たとしてもランク下位の選手と当たる1~2回線では勝ててもそれ以上望むのは無理だろうと思っていた。所が、1~3回線では1セットも落とすことなくストレートで勝ち上がってきたのである。
そして、4回線は同世代の宿敵カナダのミロシュ・ラオニッチとの対戦となった。ラオニッチは錦織圭より1歳若い23歳であり、体力も身長196cm、体重98kgと恵まれていて錦織圭より2回りは大きく見える選手である。そして、ビッグサーバと言われる時速232kmのサービスを打つことが出来る強敵である。今年7月に行われた全英オープン(ウインブルドン大会)では、全米オープンと同様4回線で当たり、セットカウント3:1で敗れている。
あにはからんや、この宿敵(世界ランク6位)との対戦、深夜の2時26分に終了するというフルセットの激闘4時間19分の末に錦織が勝ち、準々決勝に駒を進めたのである。
準々決勝では、グランドスラムの1つである全豪オープン今年の覇者であるスタニスラス・ワウリンカとの対戦になった。ワウリンカは、全豪オープンでトップ3の一人であるラファエル・ナダルを破っての初優勝しており、フロック勝ちではなかったことを証明している。ワウリンカと錦織の過去の対戦は2回あり、ワウリンカが2回ともストレート勝ちしているのである。ワウリンカもビッグサーバで220kmのサーブを持つ強敵である。
4回線でラオニッチを破った錦織は、勢いに乗り此処でも強い精神力を発揮し、またもやフルセット今度は35℃の炎天下4時間15分の大激闘を制し準決勝に進んだのである。
準決勝では、言わずと知れた現在世界ランクNo.1のノバク・ジョコビッチとの対戦になった。今年のウインブルドン大会決勝戦でのノバク・ジョコビッチ対ロジャー・フェデラーの戦いはフルセット歴代最長4時間48分を記録する大激戦になり、ジョコビッチが制したのである。この試合の記憶が残っていたので、ジョコビッチを倒すのは並大抵ではなく善戦はするが、今度は敗れるだろうと予想していた。
私の予想に反して、見事としか言いようのない集中力を発揮し、セットカウント3:1で世界No.1を撃破、日本人として史上初めてグランドスラムのシングルスで決勝進出を決めたのである。
決勝の相手は、世界ランクNo.3のロジャー・フェデラーをストレートで破ったクロアチアのマリン・チリッチである。マリン・チリッチとは過去7回の対戦で5勝2敗と勝っている相手、現在の世界ランクも錦織の11位に対して16位と格下の相手である。しかし、此処までの快進撃を見ていると激戦になるが、最後は勝てる相手ではないかと予想した。
此処でも予想が外れ、サービス絶好調の相手に対し、サービスブレークが1回しか出来なかった。所が、相手は5回のサービスブレークをしたのである。サービスが強力な相手に対しては、サービスキープを持続しタイブレークに持ち込み、粘りに粘って勝機をつかむと言うのが錦織のテニスであるが、相手の勢いに押されてサービスキープが出来なかったのが敗因であると見た。即ち、ストローク戦に持ち込み粘り抜く錦織ペースの試合にならなかったのである。
今度の決勝戦の結果、残る課題も見えてきたので、マイケル・チャンコーチのもとしっかり課題克服のトレーニングを行い、次のグランドスラムの大会を目指し1年以内にどれか1つグランドスラムで優勝して欲しいものである。
現在のトップ3と言われるノバク・ジョコビッチは7回、ラファエル・ナダルは14回、ロジャー・フェデラーは17回グランドスラムを制しているのである。従い、1度や2度グランドスラムを制したからと言ってトップ3の称号は得られる物ではない。トップ3と言われる選手は、毎年グランドスラムの1つか2つに勝利するか、勝てなくても決勝に進むという事を少なくても4~5年は続けて来て現在の地位を得ているのである。
錦織圭のテニス人生にとってまだまだ先は長いのである。日本人あるいは東洋人では無理であると思われていた世界テニス界に於けるトップ3入りという高い目標を目指して精進し、歴史を作って欲しいと願うものである。
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