第47回衆議院選挙は必要な選挙か・・・真の狙いは?
12月2日第47回衆議院選挙が告示された。今回の選挙は果たして本当に必要な選挙であるのだろうか?多くの方々が疑問を持って迎えられたのではないだろうか?前回の選挙からまだ2年しか立っていないのである。そして、是非選挙で問われなければならないと言った大義名分が見当たらないのである。
何故、安倍総理は解散を急いだのだろうか?表向きは消費税増税を1年半先送りして2017年4月からにすることに対する国民の審判を受けるということ。更には、アベノミクスはデフレ脱却に対する正しい処方箋であり、今後も継続して行くことに対する審判を受けるということになっている。
2年前に政権交代が起こり、安部首相が誕生しアベノミクスが叫ばれると同時に円高が一気に解消され、まるで安部マジックにでもかかったかに思えたのである。これはマジックでもなんでもなく、たまたまそれまでの日銀、そして民主党政権の政策が市場を読み誤った政策を実行していたため、当然の成り行きとして超円高が4~5年続き日本が苦しんだのである。
アベノミクスが叫ばれると同時に一気に円高が解消、大手企業の業績も改善、そしてあっという間に株価も大幅にアップ、これに伴い2014年春の賃上げは、何とか世間の期待に応えるものとなったのである。そして、予定されていた消費税増税3%が実施され、トータル8%となったのである。ここまでは、アベノミクスの第一の矢、大胆な金融政策が的中しうまく行ったのである。
しかし、第二の矢である機動的な財政政策に関しては、人手不足により東日本大震災の復興事業、老朽化したインフラの整備、等々に充分な資金をつぎ込む事が出来ず予算を余すことになり、効果的な景気回復の役割を果たしていないのである。そして、第三の矢である、民間の投資を喚起する成長戦略に至っては、規制緩和、経済特区制度、等々については、具体案は出ているが計画の評価・認可段階で経済成長を牽引するのはまだまだ先の話である。
2014年第二四半期は増税前の駆け込み需要の反動で需要が落ち込むと予測されていたが、その通りとなった。ただ少し落ち込みが予想より大きかっただけで、ストリーとしてはほぼ予想通りのシナリオであった。
アベノミクスが予想軌道を外れ出したのは、この後の第三四半期からである。第三四半期である7月~9月は冷夏に加えて8月に台風が2週続けて襲来し、日本列島に大災害をもたらし、アベノミクスによる景気回復どころではなくなったのである。
首相は、夏の落ち込みから脱却するため、9月に入り第二次安部改造内閣を画策したのである。即ち、成長戦略の中心として女性の活躍を取り上げ、安倍改造内閣にも5人の女性閣僚を登用したのである。更に、地方の人口減少を立て直す目的で地方創世に向けた取り組みを始めたのである。どれもこれも一夜漬け的な発想で結果はうまく行っていないのである。のみならず、自民党のNO.2であった石破氏との確執もあり、自民党の求心力を失う結果にもなったのである。
改造内閣人事失敗の結果、臨時国会は国会議員の政治資金問題で与野党の足の引っ張り合いとなり、建設的な議論のないまま空転を繰り返したのである。悪いことは重なる物で北朝鮮による拉致被害者の調査報告も9月初旬に最初の報告が出るはずであったが、安倍内閣の足下の揺らぎを見据えて北朝鮮の対応も何時になるのか先が読めない結果となっている。即ち、安倍内閣での解決も遠ざかりつつあると感じている。
こうして見てくると今回の解散は、アベノミクスを継続することが正しかどうかを問うといっているが、実は安倍首相自身の失地挽回を図ることが主目的ではないのか?と疑わざるを得ないのである。そして、国会論戦で足の引っ張り合いとなった民主党に対する鞘当てとして、いま自民党の支持率が高いうちに選挙をやれば民主党をつぶせると考慮したからではないのか?と思えるのである。
現在、日本に取って最も必要な政策は、これからもどんどん進むと思われる円安メリットを生かす政策を官民あげて行うことである。アベノミクスの第3の矢、即ち成長戦略を成し遂げるために、円安メリットを大いに利用することである、
例えば、食料品の輸入を出来るだけ押さえて、国内産品を優先して使うようにすることである。輸入する小麦粉が高いのであれば、余っている米粉を使用してパン、麺類を作り、国民に優先して使ってもらうよう仕向けるのである。更に、TPP交渉の妥結を急ぎ、工業製品、農産品、等々分野に拘わらず世界に通用する一流商品の開発を行い、輸出しGDPアップに結び付けることである。
米国経済は好調で有り、来年にかけて米国国債の金利が上げられると言う見通しであり、更なる円安が進む状況下でもある。そして、好都合なことに円安で大幅にアップしそうなエネルギーコストが原油安で逆に下がっていることである。このように経済成長を押し上げる環境は整って来ているのである。後は、政府が如何にうまく経済成長の舵取りを行うかに掛かっていると感じている。
今度の選挙のキーワードは、経済成長、財政再建、地方創世(統治機構改革・・国税が地方へ落ちる仕組)、行財政改革(国会・公務員の定数、給与削減)、等々を主に評価して投票しようと思っている現状である。
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