民主党代表選に失望・・・夢(ビジョン)がない
1月18日、民主党代表選が行われ岡田克也氏が選ばれた。代表戦を通じての議論を聞いていたが、内ゲバ的な非難の応酬で呆れるばかり、民主党独自の政策論は全く聞かれなかった。夢やビジョンも語られることもなく、ただ失望するのみであった。
細野候補は、当初解党的な出直しによる野党再編に積極的であったが、岡田候補から事前に細野候補がこうしたことを主張していたことを暴露され、野党再編論に慎重にならざるを得ない立場に追い込まれ、その後の論戦に細野候補独自の政策論が陰を潜め聞かれなくなったのが残念であった。
細野候補の主張である、①.反対野党でなく対案を示して安倍政権をチェック、②.外交ビジョン、財政リスクなどを研究するシンクタンクを創設、③.道州制を導入し、権限と財源を大胆に地方政府に移管、等々には期待していたのであるが代表選に破れ残念であった。
岡田候補は、国会論戦に於いて先頭に立ち、安倍首相と論戦を交わす、そのテーマは経済、戦後70年、安全保証法制、等々を中心にしっかり議論する、議論することには自身があると述べていたが、民主党ならどうするという具体案がなく、過去ののんべんだらりとした民主党のイメージしか浮かんで来なく期待感ゼロである。特に、民主党有志による安全保障基本法案は受け入れられないとしているが、自身の案を全く示していない。岡田党首では、民主党の再建は望み薄であると感じた。自民党が、最も与し易いとしているのが岡田候補であるのも皮肉である。
長妻候補は、長妻候補なりの政策案を主張、①.格差とバブルを生み出す従来の米国型資本主義の転換、②.相対的貧困率削減の数値目標を導入、③.過労死ゼロを目指し、労働時間短縮や有給休暇の完全取得に向けて法改正、等々であるが、受け入れる受け入れないは別にしてそれなりの価値ある提言であったと思う。
私が、民主党に最も期待したかったことは、現在の自民党の政策に対抗する案をそれぞれが出して政策論争をしてほしかった事である。例えば、アベノミクスであるが、これに太刀打ち出来る更に良い案を出し、民主党であれば経済成長を○○%/年 達成し、消費税増税なしで財政再建を可能にするとか。外交では、中国・韓国との間で行き詰まっている現状をこういう方法でこう解決するとか。東京一極集中をこういう方法で解消し、地方創世を成し遂げて行くとか。沖縄・普天間基地移設問題はこういう方法で解決して行くとか。(元鳩山由起夫首相の二の舞はごめんであるが)、現在日本が困っている問題、行き詰まっている問題、等々を積極的に取り上げ、解決させて行く気構えが欲しかったのである。
民主党は明らかに変わったというイメージを一般国民に与えられるような代表選にして欲しかったのであるが、顔をすげ替えるだけの代表選になってしまい残念であった。もっと個性が強く若くてリーダシップのある人が出て来なければ民主党の先行きはしばらく茨の道が続くのではないかと危惧するのである。
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