W杯2次予選 初戦 苦戦スタート ・・・ 歴史は繰り返す
サッカーW杯ロシア大会(2018年)のアジア2次予選が始まった。初戦は、シンガポール戦である。シンガポールの最新FIFAランクは154位、一方日本のランクは52位であり、ランクから判断すると日本が圧倒的に有利と判断される。しかし、サッカーは不条理なスポーツの代表例としてあげられる通り、何が起こるのかわからないのである。
圧倒的に攻め、決定的なチャンスを何度もつくっていても得点出来ないことがあり、逆にカウウター攻撃により一瞬のスキをつかれ敗れるということが起こり得るのである。3日前の試合、フランス対アルバニアの親善試合でFIFAランク9位のフランスがFIFAランク51位のアルバニアに 1:0 で敗れたのが好例である。
対シンガポール戦という事で想い出されるのは、ドイツW杯(2006年)の1次予選シンガポール戦である。この試合は、私がシンガポール在住時にシンガポールで行われたW杯予選である。2004年3月31日にジャランベサールスタジアム(8000人収容)で行われたが、チケット入手が困難と予想されたので、発売日に早くから並んで入手し、見に行ったのである。
当時の日本のFIFAランクは27位、シンガポールは108位であり、現地の新聞の予想でも大差で日本が勝つであろうというものであった。どれだけの大差で勝つのかという楽しみ目当てに観戦したのである。
当時日本の監督はジーコ、FWは高原直泰、柳沢敦、MFは中田英寿、中村俊輔、小野伸二、稲本潤一、DFは三都主アレサンドロ、加地亮、宮本恒靖、坪井慶介、GKは楢崎正剛、というそうそうたる先発メンバーで当時は最強と黙されていたのである。胸ワクワク、ドキドキ、させながら見に行ったのである。
所が、試合が始まると、あにはからんや日本の実力通りの試合はさせてもらえず、苦しい試合展開になったのである、それでも前半34分に高原のゴールで1点を先行して前半を終了、後半に入ると8分経過した63分にシンガポールから1点を返され1:1の同点にされた。この同点の時間がしばらく続き、この先試合がどう展開して行くのか分からない状態となったのである。
後半、67分中村俊輔に替わり藤田俊哉、69分に柳沢敦に替わり鈴木隆行、76分に高原直泰に替わり玉田圭司、と攻撃陣が変えられ、得点奪取に向けてリフレッシュされた。この結果、やっとのおもいで終盤82分に藤田俊哉のゴールで勝ち越し2:1の僅差勝利、まさに九死に一生を得たのである。
やれやれ、やっと勝ったのかという気分であった。FIFAランクに大きな差があっても、サッカーの試合に決して楽な試合はないという事を痛感させられたのである。
果たして、今日の試合はどうなるのだろうか?事前の親善試合、チュニジア戦、ウズベキスタン戦、イラク戦、いずれの戦いも好調で日の出の勢いで迎える公式戦本番、否が応でも期待が高まる一戦である。私の事前の予想では、6:0での勝利である。がしかし、サッカーとは不条理なスポーツ、何が起こるかわからないという一抹の不安も抱いていたのである。
試合が始まると、実力差は明らかで日本が一方的に攻め込む形がずっと続いた。この分だと最後まで戦えば、かなりの点数が入るだろうと見守っていた。シンガポール側は、攻撃をほとんど仕掛けてこず、守り一辺倒であり、負けるとい感覚まったくなく、試合が進んで行ったのである。
前半だけでもシュートの数は10本、シュートの正確さを欠いたのと、相手ゴールキーパの好守備もあり点に結びつかず、気がつけば前半終了間近、こんなはずではなかったのにと思いながら前半が終了してしまった。
後半に入っても相手は引いて守る事に徹している中、日本は素早くボールを奪って攻撃を仕掛けるのであるが、相手の組織だった守備、ゴールキーパの好判断・好守備に再三シュートを阻まれスコアレスの状態が続いた。
兎に角、1点を取れば勝てるという試合、最大のチャンスは55分太田のクロスに対して飛び込んだ岡崎のヘッディングシュート、ゴール内にボールは入ったが地面に落ちる前にゴールキーパが手ではじき出してしまった。相手ゴールキーパまさに獅子奮迅の働き、敵ながら
“あっぱれ” と言わざるを得ない好セーブであった。
後半16分、香川に替えて大迫を投入、岡崎との2トップ構成にし、サイドからの攻撃を試みるがなかなかうまく繋がらない。後半26分
柴崎 → 原口、後半33分 宇佐美 → 武藤、と攻撃的な選手を投入し、総攻撃をかけるが、焦りからミスも多く得点出来ず、まさかのスコアレスドローという結果となった。
終わって見れば、日本のシュ-トの数は23本、シンガポール2本と圧倒的な差であったにもかかわらず結果はドロー、勝ち点3を取り損ね1となってしまった。11年前の苦戦が再現された。歴史は繰り返したのである。
W杯2次予選E組の戦いは、まだ始まったばかりである、これから長丁場の試合が来年の3月末まで続く、体制を立て直し、新たな気分で進んで行って欲しいと願う次第である。
何故なのか 苦戦の歴史 繰り返す W杯予選 シンガポール戦
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