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2015年7月 7日 (火)

ギリシャはどこへ向かうのか?・・・第三国(ハゲタカ)が狙っている

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ギリシャの債務問題、ギリシャ国民は難しい判断を迫られた。EUが求める財政緊縮策の受け入れ賛否を問う国民投票が行われたが、受け入れに賛成するのも、反対するのも、いずれを選択しても茨の道であったのだ。

即ち、賛成すればEUが求める厳しい緊縮策を受け入れ、公共投資削減、公務員削減、年金削減、付加価値税の増税(日本の消費税に相当)、等々の施策を実施しなければならない。産業に乏しい地方では既に失業率が高い上に、更に増税も加わり一層厳しい状態を強いられるのである。

逆に、反対すればギリシャ経済の破綻、ユーロ圏からの離脱が現実身を帯び、ユーロが使えなくなり、自国通貨ドラクマを発行しなければならなくなる。こうなると、とてつもないインフレの道が待ち受けているのである。

ギリシャは、既に数年にわたり緊縮策を実行してきたが、経済は好転に向かうどころか、悪化の一途をたどり、これ以上の緊縮策を続けることは難しい社会情勢となっていた。そのしわ寄せを最も受けたのは若年層、低賃金に不満を持つ労働者層であり、反対によって起こるEUやユーロ圏からの離脱の危険など考慮する余裕はなく、これ以上耐えられないとの思いから緊縮策にノーを突きつけたのである。今後一体この問題はどう解決されて行くのだろうか?

ギリシャの債務問題は、一見遠いヨーロッパの国の出来事のように見えるが、日本の財政に占める赤字国債の割合から判断すると、日本に取っても近い将来の 反面教師 なのである。

20154月現在、日本全体の債務残高は1,300兆円を超した。GDP比で見ると234%、で他の先進国と比較してもダントツに多く倍以上である。安倍政権になってから、アベノミクスのお陰で税収が増え、国家予算に占める赤字国債の割合は4割ほどに減って来ているのであるが、財政状況は依然として厳しく、なお一層の財政再建努力が求められている。

当面の目標は、2020年プライマリーバランス (基礎的財政収支) の黒字化である。これを達成するためには、ギリシャを 他人事 として見るのではなく、日本でも緊縮策を実施する必要がある。緊縮策を実行すると経済の悪化を招く恐れがあるので、それを防ぐ積極的施策、成長戦略、IR (統合型リゾート) 等を並行して進め、経済を成長させながら進めて行くことが必要である。大阪都構想反対は、結果的に成長戦略の足を引っ張ったのである。

話が横道にそれたが、ギリシャは地政学上、非常に重要な位置にある。従い、仮にギリシャがEUを離脱するようなことになれば、その隙を狙って第三国 (ハゲタカ) が食指を動かして来るのである。

その第一候補はロシアである。ロシアがウクライナから強奪したクリミア半島 (黒海) にある海軍基地セバストポリスから地中海への出口はギリシャであり、ロシアとしては自陣営に引き込みたい重要な位置にある国である。

ロシアは現在、欧米から経済制裁を受け、経済状況は芳しくないが、資源大国である。切り札であるエネルギー、即ち天然ガス供給でチプラス政権に近づこうとしている。ギリシャに取って仮にエネルギーが格安で供給されるとなるとギリシャ経済に取って非常に魅力的なのである。

更に第二候補は、中国である。中国は現在、一帯一路構想、即ち陸のシルクロード経済圏、海のシルクロード経済圏、を築こうとしている。一帯一路構想の中に、ギリシャが売却しようとしているピレウス港の買い手に中国の国営海運が入っているのである。更に、李克強首相はギリシャ危機に対して、「中国は建設的な役割を果たす用意がある」 と明言している。

ギリシャの債務危機が今後どのように解決されて行くのか不透明であるが、万が一EUとギリシャ間の交渉が決裂、デフォルトになりEU圏を離脱するようなことにでもなれば、前述した第三国が債務の肩代わりに乗り出し、ギリシャを自陣営に引き込もうとしてくることは明白である。

ギリシャ危機は、世界経済への打撃のみならず、安全保障上に取っても重要であり、オバマ大統領はギリシャのEU離脱を恐れ、EU首脳に対して電話攻勢をかけ、ギリシャのEU離脱を食い止めるように要請している。しかし、この問題どうなるのか?誰にも予測がつかない状況である。一つだけ言える事は、火事場の混乱に乗じて第三国 (ハゲタカ) に “漁夫の利” を与えるような結果にならない事を願う次第である。

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