オバマ氏やっと動き出す・・・遅きに失した南シナ海哨戒活動!
2015年10月27日、米国がやっと重い腰を上げて動き出した。中国が南シナ海で岩礁を埋め立て作った人口島、海洋権益を過度に主張し自国の領土であり、12カイリ以内に他国の侵入を認めないと言っていた領域である。
慎重派のオバマ氏、「話せば分かる」 とのスタンスのもと、中国の埋め立てに対して、国防省が提案していた早期の
(今年5月頃) の哨戒活動にゴーサインを出さなかった。そして遂に、9月25日この問題を解決すべき米中会談が行われた。
オバマ氏は習近平氏に対して、「人口島は中国領と認めない」
のと 「航行の自由」 を求めて譲歩を迫った。所が、習近平氏は、南シナ海は太古の昔から中国領であると言って一歩も譲歩せず、話し合いは物別れに終わった。
オバマ氏は一計を案じ、ごく少人数なら本音で話し、接点を見つけられるかもしれないと考え、側近だけの私的な夕食会を用意した。オバマ氏は、かなりの時間をかけ、軍事施設の建設をやめるように求めた。しかし、習近平氏は、全く取り合わず、箸にも棒にもかからなかったのである。
習近平氏との会談が決裂したことで、オバマ氏は中国に融和的な姿勢をみせても協力は得られないと悟った。そして、夕食会の直後、憤ったオバマ氏は側近に命じ、南シナ海での哨戒活動にゴーサインを出したのである。
結果論であるが、ゴーサインを出すのが遅すぎた と感じている。もっと早い段階、即ち埋め立て作業進行中であれば、埋め立て作業そのものを中止さすことが出来たのではないかと思うのである。
今回の哨戒活動、米国以外の国では出来ないのである。本来、南シナ海の領有権を主張する、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、等々の国がやれば良いのであるが、中国の軍事力に恫喝されて出来ないのである。
いずれにしても、南シナ海の 「航行の自由」 を守る事は、この領域を通過する全ての国にとって必要不可欠なことである。単に、南シナ海の周辺国だけの問題ではなく、北東アジア、東南アジア、オセアニア、等々の国々に取って必要な事である。
何故このように、中国が南シナ海を略奪・占拠し、埋め立てを許すようになったのか?といえば、フィリピンにあった米国の軍事基地がなくなり、南シナ海に対する米国のプレゼンスが効かなくなったことが一因であると思っている。
そして更に、基本的に中国は覇権国家であり、経済的な躍進に伴い、毎年10%を越す軍事費をつぎ込み、軍事力を増強する事が出来るようになり、周辺国に対してその力をひけらかし、一層その覇権範囲を拡げていこうとするようになったのである。
東シナ海に於いても、中国は同様に覇権主義を進めて来ている、それが日中中間線の少し内側に築いているガス田である。現在、16基まで海洋プラットフォームが増えている。これは単なるガス田開発だけを目的とするものだろうか?そのほとんどがヘリコプターの発着出来る施設も備えていて、軍事基地としても使用出来るのであり、日本政府は神経を尖らし、中止するように申し入れているが、その気配はないのである。
尖閣諸島についても、中国は依然として領海内を航行する挑発行為を繰り返している。日本が監視活動を継続し、その都度領海へ出るよう警告を発しているから、占拠されるようなことにはなっていないが、油断も隙もみせられないのが現状である。
日本国の領土・領海を守るには、米国を過度に当てにするのではなく、日本としてやれることはきちっとやって行くという姿勢を失わず示して行くことが、結果として日本国の防衛に繋がるのであると思う。
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コメント
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私もそう思います。
日本人は平和ぼけですね。
自分の国は自分で守る気概が必要と思います。
投稿: かんさん | 2015年10月30日 (金) 18時58分