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2016年1月19日 (火)

北朝鮮水爆実験・・・韓国の期待に対する中国の冷たい対応


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昨年来、韓国は中国から受ける経済的メリットを最大限に生かそうと、あれやこれやと中国を持ち上げ緊密さを強調して来た。相互防衛条約を結ぶ米国の警告を無視し、「中国傾斜」 政策を取ってきたのである。

例を挙げると、1.中国の 「抗日戦争 勝利70年」 の記念式典と軍事パレードに参加 (西側諸国で参加したのは韓国のみ)、2.アジアインフラ投資銀行 (AIIB) 設立にも参加、3.米国によるTHAAD(弾道弾迎撃ミサイルシステム)の配備を中国が強行に反対しているため、未だに渋っている。

1項、2項については米国が参加しないように要請していたにも関わらず、習近平氏のメンツを立てるため警告を無視して参加したのである。3項については、韓国防衛については必要不可欠な軍備にも関わらず、中国の反対に合い未だ宙に浮いた状態である。

こうまでして中国を立てて来た理由は、経済的メリットのみではなく、朴槿恵氏が対北朝鮮戦略を有利に進めるため、韓国と中国の緊密さを北朝鮮に見せつけ、暗黙の圧力をかけようと画策して来たと推測するのである。

現に、習近平氏が国家主席となってから、訪問したのは準同盟国の北朝鮮ではなく、西側の韓国であり、韓国との緊密さを世界中に見せつけたのである。この瞬間、一時は朴槿恵氏の作戦は当たったように見えたのであるが、しかしそう簡単に問屋が卸してくれなかったのである。

それは、北朝鮮が16日に水爆実験を行ったことに対する中国の反応である。中国は、北朝鮮の核実験を事前に知らされてなく、苦々しく思っているのは間違いなく、今回は国連の北朝鮮制裁決議に対して西側諸国と足並みをそろえて強い制裁に同調するだろうと思われて来た。

当然、朴槿恵氏も過去構築して来た、習近平氏との蜜月の関係に基づき、今回に限っては習近平氏が強い制裁に同調してくれるだろうと期待したのである。

そういう思いから、朴槿恵氏は習近平氏に対して制裁決議を訴えようと電話会談を申し入れたのである。所が、習近平氏は応じず電話会談は実現しなかったのである。煮え湯を飲まされたのは、朴槿恵氏である。

そこで、朴槿恵氏は仕方なく、113日の国民向け談話で、「中国が国連安保理常任理事国として必要な役割を果たしてくれるものと信じている」 と 「中国役割論」 を強調したのである。国内向けの演説で、第3国の政府に対して何かを求めるのは、外交慣例上、異例のことである。

それでも朴槿恵氏が中国の役割論を公然と強調したのは、習近平氏との直接対話が出来なかったことに対する不満を表明する苦肉の策であったのである。

115日付けのブログでも指摘したように、韓国は過度に中国の経済に頼るがあまり、安全保障分野まで同盟国である米国の忠告を無視して中国に近づいたのである。その結末が、こうした冷たい中国の仕打ちである。

まだ国連での北朝鮮に対する制裁決議は決まっていない、水面下で米国と中国がその内容について調整中である。中国は、北朝鮮の核実験を批判し、制裁決議の必要性は認めているようであるが、準同盟国の北朝鮮を過度に追い込み体制が混乱するのを恐れ、制裁を適切な水準に収めようとしているようである。

翻って、日本の対中国政策であるが、現在の安倍政権は正しい対応をしていると思う。経済が大切であるからと言って、政治まで犠牲にして中国に近づくことはなく、中国の東シナ海や南シナ海での活動については 「国際秩序への一方的な挑戦は決して許すことが出来ない。国際社会で一致して声を上げて行く必要がある」 と現状変更の動きを強く牽制している。そして、安全保障面で決して中国に譲る考えはないと明言しているからである。

一方、自民党の中には中国容認派がいて、政治的体制が全く異なるのにも関わらず、やたらと中国に近づこうとする連中がいるのも事実である。誰かと個々の名前を挙げるのは伏せるが、中国共産党の本質を良く理解した上で日本の行く道を決定して欲しいと願うものである。

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