台湾総統選・・・民進党・蔡英文氏圧勝・・・久々に嬉しいニュース
今年に入ってから、あまり良いニュースに出くわして来なかった。中国の経済不安、原油安、ISによるテロ、等々が共振して、上海市場の株の暴落に端を発し、比較的経済が好調である日本市場、米国市場、に於いても株価の下落が続き、ヨーロッパにも波及、世界中の株価の下落が止まらない状態となっている。
更に、加えて北朝鮮の水爆実験という予期しないハップニングまで加わり、世界情勢を一層混迷にさせているのである。世界中のリスクが高まるに連れ、比較的安全資産と見なされている円が買われ円高が進行、これにより輸出企業の業績が悪化するとの読みから、日本の株価が更に下がると言う悪循環に陥っているのである。
アベノミクスのお陰で日本経済のファンダメンタルズは、良いとされて来ていたのであるが、株価が下がるに連れて、日本企業の3月期決算にも影響し、今春闘に於ける賃上げが予定通り進むのかどうか?疑問を呈し始めて来ているのである。
こうして、世界中に経済不安が広がる中、1月17日台湾の総統選挙が行われ、事前の予想通り、民進党の蔡英文氏が圧勝し、初の女性総統が誕生することになった。加えて、立法院選挙に於いても民進党が過半数以上を獲得し、安定した政権運営が出来る体制となったのである。
蔡英文氏と民進党が勝利したからといって、世界の混迷状況が好転する分けでも何でもないが、何かしら気分的に感じていた、モヤモヤを吹き飛ばしてくれるのではと思わせる、久々の嬉しいニュース と受け取ったのである。
今回の選挙で、はっきりと台湾のアイデンティティーが示されたのである。即ち、人権無視、一党独裁、無法国家、の中国とは違い、自由と平等の
民主主義国家 であることが明確に示されたのである。香港では、民主主義の基本である自由な選挙が封じられ、民主主義が風前の灯火となっているのと、大きな違いを感じた。香港も
雨傘革命 を何とか成功させ、完全な民主主義を取り戻して欲しいと願うのである。
しかし、これからの政権運営の舵取りは難しいのではないかと感じる。中台関係をどのように運営して行くのか?台湾の輸出額の40%は中国向けであり、「中国がくしゃみをすれば台湾が風邪をひく」 位に経済は中国に依存している。
経済依存度がここまで高い現状を一気に変えようとすると、たちまち経済破綻を起こし、政権運営が上手く行かなくなることが心配される。政治的にアイデンティティーが示されたとしても、経済運営が上手く行かなければ飯は食えないからである。
そこで、蔡英文氏は当面現状維持政策を打ち出し、様子を伺いながら徐々に 「脱・中国依存」
を図って行く政策を取って行くと思われる。米国への輸出13%、日本への輸出7%、をもっと増やして行くべきであるとしているようであるが、これを実現するためには、TPPへの参加が急務であり、これを切り札として行くと思われる。
所がTPP参加は、言うは易く行うは難し である。種々のハザードが待ち受けている。中国がすんなりOKを出すことはなく、必ず横やりを入れ、圧力をかけ、現状の中台の経済関係を打ち切る、とでも言い出しかねないからである。
そこで、いわゆる西側陣営、特に米国と日本が如何に台湾をサポートして行くのかがキーとなるのである。しかも中国の機嫌を損ねないようにと言う難しい条件付きで行わねばならないからである。
いずれにしても、蔡英文政権が上手く運営され、中国との関係を損なうことなく、西側諸国との関係を構築し、長期政権として成り立って行くことを願うのである。私の心情としては、同じ西側陣営である台湾、韓国であるが、より台湾を応援してやりたいと言う気持ちが強いのである。
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