橘曙覧(たちばなのあけみ)・独楽吟・・・一服の清涼剤と感じた
7月16日、日経夕刊に載っていた文学周遊の記事から、江戸末期の歌人・国学者である橘曙覧(たちばなのあけみ・ 1812~1868) の「志濃夫廼舎(しのぶのや)歌集」に載っている、「たのしみは」で歌い出す「独楽吟」という52首の歌を知った。世知辛い世の中で一種の清涼剤と感じたのである。
2016年に入って、世界中でテロとか事件が頻発している、最近だけでも多数起きている。日本人も巻き込まれ他人事ではなくなって来ているのである。主な物を上げると、
2016年3月13日、トルコ・アンカラ 爆発テロ事件、死者34人、負傷者125人
2016年3月22日、ベルギー・ブリュッセル 連続爆破テロ事件、死者32人、負傷者340人
2016年6月12日、米国・フロリダ州オーランド ナイトクラブでの銃乱射事件、死者50人、負傷者53人
2016年7月01日、バングラディシュ・ダッカ 人質テロ事件、日本人7名を含む死者23人、負傷者50名人
2016年7月15日、フランス南部ニース トラック暴走テロ事件、死者84人、負傷者50人
更に、事件ではないが、世の中に衝撃を与えた政治的な出来事、「桝添知事 疑惑事件」、「英国のEU離脱国民投票による離脱派の勝利」、「南シナ海 中国の主権を認めない 国際司法裁判所の判決」、「トルコ軍、一部反乱鎮圧、クーデター未遂」、等々が起きている。
世界中に混乱、恐怖を巻き起こすような事件、出来事が頻発し、人々の心の中を攪乱、騒然とさせている現実がある中、一服の清涼剤と感じたのが、冒頭に述べた橘曙覧による独楽吟である。
年取って、外に出かけない日には、昼食後必ず30分~1時間 昼寝をするようになった。ちょうど、この習性に合わせた歌で、なんとなくほのぼのと安らぎを与えてくれたのが次の句である。
たのしみは 昼寝せしまに 庭ぬらし ふりたる雨を さめてしる時
そして、午後4時頃から約1時間位 散歩するのも現在の日課である。出来るだけ 舗装のしてない地道・池の土手の草道・川沿いの木の根道、等々を好んで歩いている。これにちなんで浮かんだのが次の句である。
たのしみは 意(こころ)にかなふ 山水の あたりしづかに 見てありくとき
1994年、天皇皇后両陛下の訪米時、クリントン大統領 (当時) はスピーチに 橘曙覧 の次の句を引用したのである。
たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時
その他では、何気ない日々の積み重ねの中に発見する小さな感動を歌った句々である。
たのしみは 庭にうゑたる 春秋の花 のさかりに あへる時々
たのしみは 心にうかぶ はかなごと 思いつゞけて 煙草(たばこ)すふとき
たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどひ 頭(かしら)ならべて 物をくふ時
等々の句が、世間の出来事に日々憤りを感じている私の心に安らぎを与えてくれると感じたのである。
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