気骨ある3名の女性政治家が躍進・・・今後どう活躍して行くのだろうか?
2016年7月~8月にかけて女性政治家が重要ポストに就任する事例が増えている。特に、私が注目する3名の女性政治家とは、一人目がイギリスのテリーザ・メイ首相、二人目が小池百合子東京都知事、三人目が稲田朋美防衛大臣である。
一人目のテリーザ・メイ首相は、7月13日前任のキャメロン首相の辞任を受けて、第76代英国首相に就任した。6月23日に実施された、英国のEU離脱の是非を問う国民投票ではEU残留派に属していたが、残留のキャンペーン展開には消極的であった。
私が、メイ首相に注目したのは、前政権の “親中政策” 見直し を言い出したことである。同国で20年ぶりとなる新規原子力発電所建設計画に、中国企業が参加することに安全保障上の懸念を示し再検討を命じたことである。
この件は、フランスの電力公社が主導して、英南西部サマセット州ヒンクリーポイントに新規原発を建設する計画で、約180億ポンド (約2兆4300億円)
の建設費の3分の1を中国国営企業が出資することになっていた。
キャメロン政権時代の昨年10月、中国の国歌主席 習近平が英国を訪問した際、エリザベス女王まで動員し、バッキンガム宮殿で最高級のもてなしをし、見返りに中国からの投資総額400億ポンド (約5兆4000億円)
近くの契約をまとめた件の一部である。これについては、2015年10月24日のブログで懸念を示していた。詳細は、次の文字をクリックすると繋がります。
テリーザ・メイ首相は、マーガレット・サッチャー元首相に次ぐ2人目の英国首相で、政治家同士でなれ合うことをせず、時に 「氷の女王」 と呼ばれている。今後、この 「氷の女王」 によって、英国の外交政策がどう進められて行くのか?どう変わってゆくのか?注目するところである。注目点は、次のような項目である。
1. EUとの離脱交渉をどう進めてゆくのか?
2. 中国の南シナ海実行支配に、仲裁裁判所が中国の主権を認めなかったことに対して、どういう態度を取るのか?
3. 中国主導のAI IBに、G7で最初に参加を表明したのは英国である。これをこのまま継続するのか?
4. 香港の自治権 (2047年迄規定) について、何か発言するのか?
二人目の小池百合子東京都知事は、7月31日の東京都知事選で、291万票を取り、2位の増田氏の179万票に対して112万票の差をつけ圧勝し、東京都知事を勝ち取った。当初、小池百合子氏が立候補を表明した時は、売名を狙った泡沫候補位にしか考えていなかったので、驚きを持っての受け止めとなった。
小池百合子氏は、選挙戦に於いて所属する自民党の支援を得られないまま出馬。しかも、自民、公明、日本のこころ、等々が、元総務相の増田寛也氏を推薦、そして、民進、共産、社民、生活、等々が、ジャ-ナリストの鳥越俊太郎氏推薦、する中、孤立の戦いを強いられた。
しかし、小池氏はここでひるむことなく、無党派層を主なターゲットに 「政党や組織に頼らない選挙」
を前面に打ち出して、「国際金融都市」 作りや知事報酬半減などの公約を掲げ、単独で戦いを進めて行った。
都連与党が、自民党員に対して小池氏を応援した場合、処分するという 「おふれ」 を出して組織の引き締めをはかる中、到底
増田氏には勝てないだろうと予想していたのであるが、「組織対個人」 の戦いを強調した小池氏に軍配が上がった。この小池氏のバイタリティーは、どこから来ているのだろうか?
小池氏の気骨・意欲に敬服 である。
しかし、今後都政を運営して行く上にはいろいろなハザードが待ち受けている。都議会とどう折り合いをつけて都政をスムースに運営して行くのか?東京オリンピック・パラリンピックを正常な軌道に戻し、如何に適正な予算で運営にこぎつけるのか?まずは、お手並み拝見と言ったところである。
三人目の稲田朋美防衛大臣は、第3次安倍再改造内閣で防衛大臣に抜擢された。東アジアに於いては、中国、北朝鮮、韓国、台湾、と言った国々との間で、安全保障、歴史認識、拉致問題、慰安婦問題、等々が山積する中、女性大臣で大丈夫なのだろうか?と危惧される。
しかし、稲田氏は過去2011年8月、自民党の新藤義孝議員らと、竹島北西の鬱陵島視察目的で訪韓を計画。韓国政府は混乱を懸念して金浦空港で入国不許可を伝えた。この時の行動で、女性議員であるのにも関わらず、なかなか気骨のある政治家であるな!と言う印象を持った。
更に、稲田氏は過去、歴史認識や慰安婦問題で中国や韓国の常軌を逸脱した 「反日キャンペーン」
に積極的に立ち向かって来たというイメージを持っているので、中韓両国に対しては牽制
になるだろうと感じている。
稲田氏就任直後、8月4日に共同通信が行った世論調査では、防衛相起用について 「評価しない」 が43%、「評価する」
が32%ということで評価しないが上回った。やはり、世間は女性防衛大臣に対して、一抹の不安を持っているのではないだろうか?と感じている。
女性防衛大臣として、危惧あるいは不安を持っている方々に対して、今後の防衛政策に対する積極的な発言、毅然とした対応を取り、懸念を払拭して欲しいと願うのである。しっかり、見守って行こう。
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