感動と感激のリオデジャネオロ・五輪 終了・・・その感想を述べてみた
8月22日、感動と感激を与えてくれた リオデジャネイロ・オリンピック が終了した。日本の成績は、予想外に良く、金メダル12個、銀メダル8個、銅メダル21個、合計41個の史上最多のメダルを獲得となった。さあ次は、いよいよ東京オリンピック、リオ五輪終了と同時にカウントダウンがスタートしたのである。
オリンピックは、ご存じの如く4年に1回、3週間弱、と言う限られた日程の中で行われる。一般のスポーツ競技と違い、一過性のスポーツ競技である。従い、如何に優れた競技能力を持っていたとしても、オリンピックが行われる期間に合わせて、体調を整えベストな状態で競技に臨んで、初めてその実力が発揮出来るのである。
このような観点から競技を見て行くと、厳しい条件下であるにも関わらず、何度も続けて競技に出場して、勝ち続ける選手がいるのである。 即ち、スーパースター
(怪物) と呼ばれる選手である。今回も、そのスーパースターと言われる選手が数多くいたのには驚いた。スーパースターを上げてみると、
まず、最初に来るのは、陸上競技・短距離の絶対的王者、ジャマイカのウサイン・ボルト である。北京、ロンドン、リオデジャネイロ、3回のオリンピックで連続して、100m、200m、400mリレー、3種目で金メダルを獲得した。それも、2位以下をダントツに圧倒する異次元の走りでの勝利である。今後、このような選手は、50年or100年間位出て来ないのではないだろうか?と感じた。
次に来るスーパースターは、水の怪物と呼ばれる 米国のマイケル・フェルプス である。現在31歳であるが、100m、200mバタフライ、400m個人メドレー、3つの世界記録保持者である。19歳のアテネで6個の金メダル、2個の銅メダル、23歳の北京で8個の金メダル(史上最多)、27歳のロンドンで4個の金メダル、2個の銀メダル、31歳のリオデジャネイロで5個の金メダル、1個の銀メダル、を獲得した。
マイケル・フェルプスが獲得した、合計の金メダルが23個、銀メダルが3個、銅メダルが2個、全て合わせたメダル数は、一人でなんと28個である。日本で怪物と呼ばれる、萩野公介は400m個人メドレーで金メダルを獲得したが、そのタイムをフェルプスの世界記録と比較すると、2秒21まだ遅いのである。200m個人メドレーでフェルプスと競い合ったが、ここでも2秒の差がついた2位であった。“萩野公介まだまだ修行が足りない” と感じさせられたのである。
3番目に来るスーパースターは、体操
日本のエース内村航平 である。ロンドン、リオデジャネイロ、2回のオリンピックで個人総合2連覇を達成、男子団体総合優勝、と2個の金メダルを獲得。毎年、行われる世界選手権では、現在個人総合6連覇中である。オリンピックの年には、世界選手権は行われないので、世界選手権とオリンピックを合わせると個人総合8連覇中となる。競技の難易度、達成の難しさを考慮し、内村航平を取り上げたのである。
4番目に来るのは、女子フリースタイル・レスリングの
吉田沙保里と伊調馨 である。二人は、アテネ、北京、ロンドン、と3回のオリンピックで3連覇を成し遂げ、今回のリオでは、4連覇を狙って登場した。所が、結果は相反するものとなった。伊調馨は、苦しみながらも試合終了3秒前の逆転劇で勝利をつかみ4連覇を達成した。吉田沙保里は、決勝まで駒を進めたが、決勝戦の相手米国のマルーリスに敗れた。
マルーリスとは2011年、2012年の世界選手権で対戦し、いずれも吉田がフォール勝ちを収めていた。あれから4年の歳月が流れ、吉田は33歳、マルーリスは24歳、となっていた。吉田の話によると、マルーリスは以前とは、「全然パワーが違って、強くなっていた」
のである。吉田も全盛期の若いパワーには抗しきれず、遂に4連覇は成し遂げられず、銀メダルに終わったのである。競技を長く続けていれば、必ずこう言う時は来るものである。二人の日本人スーパースターにご苦労様と言いたい。
その他の競技で印象に残ったのは、陸上競技・男子400mリレー
銀メダル、テニス男子・錦織圭 銅メダル、女子バトミントンダブルス 金メダル、卓球男子団体 銀メダル、等々である。それぞれについて印象を述べると、
陸上競技のトラック種目は、日本にとっては苦手な種目であり、過去メダルに手が届いたのは、北京五輪の男子400mリレー以来である。北京五輪では、3位に入ったがこの時は、強豪 米国や英国が予選でミスにより敗退する幸運にも恵まれての3位であった。タイムも38秒15と平凡なものであった。
けれども、今回は掛け値なしの実力勝負で勝ち取った2位であった。特に、圧巻と感じたのは、かつての短距離王国
米国を抑えての2位であり価値ある銀メダルであると感じた。タイムもアジア新記録を塗り替える37秒60であり、堂々としたものであった。特に、良かったのは、スタートの山縣の出だし、3走の桐生であり、3走を終えた時点でトップに並んでいたが、最後はボルトとの勝負になり、大差となってしまった。残念と言うより、良くやったと言いたい。
テニス男子 錦織圭の銅メダル獲得は、3位決定戦でナダルを破っての銅メダルであり、素直に讃えたい。ただ、欲を言えば、準決勝のアンディー・マレーとの戦いで、あまりにも一方的に敗れたことである。もう少し善戦して欲しかった。ファーストサービスの確率を80%以上に上げ、相手にリターンを好返球されないようにし、ブレークを易々と与えないようにすると言う課題が残った。
女子バトミントンダブルスの タカ・マツ ペアの戦いは、日本バトミントン界で初の金メダル獲得となった。五輪に臨む前の世界ランキングで1位であり、ひょっとすると優勝も夢ではないと思っていた。準決勝では、5月の国・地域対抗戦、女子ユーバー杯の準決勝で敗れている韓国ペアと当たった。この強豪
韓国ペアをストレートで破ったので、この時点で順調に行けば優勝間違いないと確信した。
しかし、優勝戦は第3ゲーム終盤に3連続失点を喫して16-19と追い込まれた。剣が峰に立たされた タカ・マツ
ペアは、ここから怒濤の反撃を開始、高身長である相手の強打の集中砲火をことごとく返し、ドロップショットやクロスを決め2点を返した。この後も、2人は極限まで集中力を高め3点を連取、結果 劇画のような5連続得点を果たし、大逆転による勝利を呼び込んだ。天晴れな勝利であると感じた。
男子卓球団体戦であるが、準決勝は3-1でドイツを破って初の決勝進出を果たした。決勝戦の相手は、現在の絶対王者中国である。世界ランク1位~3位のメンバーで構成する相手との戦いであり、まともに戦ったのでは勝ち目はないと思っていた。
所が、最初のシングルス2戦で水谷が過去12戦して勝ったことがなかった、世界NO.3の許昕を実に13度目の挑戦で破り一矢を報いて1-1としたのであるが、続くダブルスでは敗れ、1勝2敗と追い込まれた。第4戦のシングルスは、日本吉村、中国馬龍
(NO.1) との戦いになり、吉村は全く歯が立たず、馬龍の圧勝となった。
ここで疑問に感じたことは、何故 第4戦に水谷を出して馬龍にぶつけなかったのか?水谷は、男子シングルスの準決勝で馬龍と当たり、馬龍から2セットを取り2-4と善戦していた。第4戦が水谷であれば接戦に持ち込めるチャンスがあり、おもしろい戦いになると期待したのであるが、日本の作戦ミス残念に感じた。それでも、男子団体戦で初の銀メダルを獲得したことは、日本卓球界の進化を感じさせるものであった。
最後に総括として、合計のメダル数が41個となったが、メダル獲得のポイントゲッターは、日本のお家芸として復活した柔道で12個、競泳で7個、レスリングで7個、であり、この3種目で63%を占めている。東京オリンピックに於いてもこの3競技が中心となるだろうと推測する。
望むのは、日本の弱点である、陸上競技トラック種目 (400m、800m、1500m、3000m) で世界と肩を並べられる選手が出て来て欲しいことである。更に、競泳の自由形200m、400m、1500m、でトップクラスの選手が出て来ることである、かつての古橋広之進、山中毅、に匹敵する選手を望むのである。
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