稀勢の里・優勝と横綱昇進・想定外だったけど・・・めでたく喜ばしい
2017年1月22日(日)、大相撲初場所千秋楽結びの一番で大関稀勢の里が横綱白鵬を破り初優勝に花を添えた。前日、14日目で逸の城に勝ち、白鵬が貴ノ岩に敗れたため優勝を決めていた。
年初には、稀勢の里が優勝して横綱に昇進するとは、全く想定していなかった。今まで何度も優勝のチャンスを掴みながら、後一歩と言うところで逃していたので、実力はあるけれども今度もまた同じで準優勝あるいはそれに次ぐくらいの成績で終わるのだろうと思っていたからである。
所が、初場所が進むに連れて、7日目で横綱・日馬富士、11日目で横綱・鶴竜、13日目で大関・豪栄道がそれぞれ怪我で休場した。その上に残る大関二人 琴奨菊と照ノ富士 は成績が上がらず大きく負け越し、終盤一気に稀勢の里に優勝のチャンスが訪れてきた。
今度こそチャンスをつかめるのかな!と注目しながら推移を見守っていた。順調に勝ち星を積み重ね、13日目終了時点で、稀勢の里1敗、白鵬2敗、という星の差一つでの優勝争いになった。
この分だと、千秋楽で二人の優勝争いにもつれ込むだろうと思っていた。過去、こうした争いではことごとく白鵬が稀勢の里を破り優勝を阻む壁となっていた。しかし、今度は星の差が一つあるので、白鵬が優勝する為には、本割りと決定戦で二番続けて勝たねばならず、稀勢の里にも千載一遇のチャンスが巡って来るだろうかな!と思っていた。
しかし、14日目で白鵬が初顔あわせの貴ノ岩にあっけなく敗れてしまい、稀勢の里の優勝が決定した。初顔に対してはめっぽう強かった白鵬が簡単に敗れるとは、白鵬の力の衰え をつぶさに感じた瞬間であった。
稀勢の里の優勝が決定した後の千秋楽結びの一番、白鵬は何とか一泡吹かしてやろうと虎視眈々と作戦を練っていた。突き刺すような前傾姿勢で白鵬は一気に寄り立てて来た。これは白鵬の勝ちかなと思った瞬間、土俵際で必死に残した稀勢の里は右からのすくい投げで白鵬を破った。
白鵬は全身全霊をかけ渾身の相撲を取った、所がこれを必死に残し逆転のすくい投げ、この瞬間に
白鵬と稀勢の里の力の差が逆転 したと感じたのである。白鵬は、コメントで 「最初は軽いと思ったが、土俵際で残された。強い大関になったと感じた」
と悔しさは見せず、素直に相手をたたえた。
現在の上位陣、日馬富士32歳、鶴竜31歳、白鵬31歳、琴奨菊32歳、豪栄道30歳、稀勢の里30歳、で急速な衰えを見せはじめ休場が多くなっている。しかし、稀勢の里のみは初土俵から15年土俵に上がれなかったのは2014年初場所千秋楽の不戦敗のみである。
体に一つもサポータ、テープ、等を巻いていない稀勢の里、強靱な肉体が一番の強みである。30歳と言えどもまだまだこれから先5年位は相撲は取れる。しかも、今回の初優勝で実力第一人者としての地位を確保したと確信している。
横綱に昇進する規定、大関で2場所連続優勝あるいは優勝と準優勝、今回この規定に厳密に言うと外れている、即ち先場所優勝した鶴竜と2差で準優勝ではなかったが、これを問題視する必要はないと思う。
と言うのは、横綱昇進前6場所の成績 (勝率) を見ると、稀勢の里0.822、鶴竜0.733、日馬富士0.756、白鵬0.787、朝青龍0.800、武蔵丸0.756、若乃花0.733、貴乃花0.888、であり、稀勢の里は貴乃花に次ぐ優秀な成績であり、間違いなく立派な横綱になるだろうと推測するからである。
いずれにしても、待望の日本人横綱の誕生である。日本人横綱は、3代目若乃花以来である、実に19年間日本人横綱不在の場所が続き、テニスで言う
ウィンブルドン現象 (場所の提供のみで自国から優勝者が出ない) が続いていた。
長年、日本人ファンが望んでいた日本人横綱の誕生はめでたく喜ばしいことである。稀勢の里には、本人もインタビューで述べている通り、もっと稽古を積み重ね強くなってもらい、一日でも長く横綱を張り名横綱になってほしいと願うのである。
さて来場所は、浪花の春、大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で春場所を迎える。平成12年春場所以来17年ぶりの4横綱時代の到来である。二人の横綱 (白鵬、日馬富士) は 不知火型、残りの二人 (稀勢の里、鶴竜) は 雲竜型、型の違う横綱のそろい踏み、さぞかし豪華絢爛たる相撲の伝統美の饗宴となり、楽しみな 浪花の春 を呼び込むことを期待する。
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コメント
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本日1月25日稀勢の里が第72代横綱に推挙された。日本人の横綱として19年ぶりのことで大変良いニュースであるが
同郷の茨城県出身の横綱誕生で嬉しく思います。又、大相撲ファンとして一番嬉しく思うのは「横綱どおしの取り組み」が
今までの3番から6番と倍に増加したこと。つまり相撲の組合せは数式としては、N(N-1)÷2となります。(数学上の組合せは
2倍だが東西の差を除くため)もしも今後横綱がもう一人増えて5人になれば、「横綱どおしの取り組み」は10番となります。
①白鵬ー日馬富士、②白鵬ー鶴竜、③白鵬ー稀勢の里、④日馬富士ー鶴竜、⑤日馬富士ー稀勢の里、⑥鶴竜ー稀勢の里
となり全員が出場すれば13日目、14日目、千秋楽と3日続けて、「横綱どおしの取り組み」が各2番づつある可能性が出て来たことになります。今回の初場所はゼロだったため、3月大阪場所は是非ともそうなって盛り上がることを期待します。
投稿: kfのんびりゆったりあせらずに | 2017年1月25日 (水) 19時56分