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2017年1月22日 (日)

トランプ大統領誕生・喜ぶべきか?悲しむべきか?否定的感情の方が強い

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2017120日(金)、米国第45代大統領にドナルド・J・トランプ氏が就任した。率直な気持、喜ぶべきか?悲しむべきか?どちらかというと否定的感情の方が強い。

と言うのは、今でもトランプ氏の大統領としての正統性を疑っているからである。疑う原因は3つある。

一つ目は、FBIのジェームズ・コミー長官が大統領選挙投票日10日前に、ヒラリー・クリントン氏の国務長官在任中の私用メール問題を再調査すると発票し、クリントン氏に不利な情報を流した。そして、投票日の2日前に捜査が終了したと発表したことである。

この結果、ヒラリー・クリントン氏が10ポイント位リードしていたのが、僅か1ポイントとなり、選挙の時点では投票結果がどちらに転ぶかわからなくなったのである。司法省がジェームズ・コナー長官の行動は、違法ではなかったのかと調査しているが、トランプ政権誕生により、この件は葬りさられてしまうだろう。

二つ目は、ロシアがサイバー攻撃によって、クリントン氏に対する不利な情報を流したこと、そして偽ニュースと言われる虚偽情報を流したことである。オバマ政権に於ける米国 中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、国家安全保障局(NSA)の情報機関3者はこれを認める公式文書を出している。トランプ氏もロシアがハッキングを行ったこと自体は認めているのである。

フェイスブックは偽ニュースの拡散を放置し、大統領選に影響を与えたと批判され、米国でいち早く偽ニュース対策を始めている。フェイスブックはドイツでも偽ニュース対策を行うと発表している。

三つ目は、最終得票数はクリントン氏が5,933万票、トランプ氏5,916万票、と僅差であるがクリントン氏が上回っている。選挙制度の欠陥・・米国独特の「選挙人制度」・・から結果が逆となったことである。

正統性以外にツイッターで発信している内容を吟味すると、場当たり的、具体性なし、思いつき、と思われる発言で世間を迷わせていることである。トランプ政権の正式な政策は定かではないが、オバマ氏が築いて来たレガシーをことごとく否定するような発言が多くなっていることに納得出来ないのである。例を上げると、

1. 欧州連合(EU)との関係

長年、欧州と米国はNATOという同盟を基軸に安全保障面で強く結ばれていた。ウクライナ問題で、ロシアと対立するEUに対して足で砂をかけるような発言をしている。

インタビューで、強いEUあるいは強い欧州諸国は米国の国益に資するか?と問われ、「米国には関係ない。どうでもいい」と答えている。同氏にとって、政治とは勝者と敗者に分かれる取引である。

ウクライナ問題で、ロシアに経済制裁を課しているが、制裁解除を引き合いに核兵器を減らす交渉を行おうとしている。これについて、オバマ大統領は退任前最後の記者会見で、「ロシアに制裁を科したのは核兵器の問題ではない。制裁はロシアが他国の主権を侵害したために発動された。」と力説している。

そして、プーチン氏の力による領土拡大を認めた場合、国際秩序が崩れる。「米国が基本的価値を守るため立ち上がらなければ、中国やロシアは野放しになる」 と懸念を示している。

2. イランとの核合意

イランとの核合意は履行1年を迎えた。所が、トランプ氏は核合意について「史上最悪で最も愚かな取引」であると繰り返し酷評している。

これに対してオバマ氏は声明を発表し、「(核合意という)外交的解決はイランの無制限な核開発や中東での新たな戦争よりはるかに好ましい選択肢だ」と強調し、核合意の破棄を示唆しているトランプ氏をけん制している。

更に、声明は核合意について「長年の活動による成果であり、米国とイランにとどまらず世界主要国の合意であることを米国は忘れていけない」と指摘し、核合意が米国単独で簡単に覆せるようなものでないとクギを刺している。

3.地球温暖化対策を決めた「パリ協定」

パリ協定は、オバマ大統領が9月に批准を決めた温暖化対策の国際枠組みである。しかし、トランプ氏は地球温暖化はでっち上げだと主張し脱退を唱えていた。しかし、最近は少し軟化し「パリ協定」からの離脱を明言せず、「予断を持たずに考える」としている。

4.オバマケア(現行の医療保険制度)

オバマケアについては、選挙戦から撤廃を主張し、就任当日に撤廃案にサインした。オバマケアを推進してきた民主党は、全米で2,000万人以上が医療保険を失うとして撤廃に反対している。トランプ氏は新たな制度を検討しているが、まだ具体的な案は提示されていない。

5.TPP(環太平洋経済連携協定)

TPPについては、選挙戦中から大統領就任初日に「離脱を通告する」と明言していた。大統領就任に合わせて更新したウェブサイトの声明で 「TPPから撤退し、いかなる新たな貿易協定も米労働者の利益に確実にかなうようにすることから大統領の戦略を始め」、北米自由貿易協定(NAFTA)の「再交渉にコミットする」としている。

いずれにしても、賽は投げられトランプ氏は大統領に就任した。就任前の歴代大統領の “支持率どんな大統領になるかを比較してみると、次の表のような結果となっている。

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支持率は、4人の大統領中最低で40%、どんな大統領になるかについては、オバマ氏と比較しているが、非常に劣っている。事前の世論調査のみで大統領として成功するのかどうか?を占うことは出来ない。

しかし、選挙戦中の発言、ツイッターでの発言内容から判断すると大統領としての高貴さ、威厳さ、が感じられず、次元の低いイメージが先行し、大統領としての資質に欠ける と思わざるを得ないのが現在の心境である。

ここで、著名な投資家ジョージ・ソロス氏のコメントを紹介すると、「個人的には、トランプ氏は失敗すると確信している。それは私のような失敗を望む人がいるからではなく、彼の考えが本質的に自己矛盾をきたし、そうした矛盾が既に周囲のアドバイザーや閣僚候補によって体現されているからだ」と述べている。

果たして、トランプ政権は米国はもとより他国で受け入れられるのだろうか?疑問符のつく船出である。今後の政策・方針をじっくり見て行きたい。

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コメント

トランプ大統領の就任宣言挨拶を聞いていると過去のヒトラーの発言に似ている。そして世界は第二次世界大戦前の状況に似てきたような気がする。イギリスのEU離脱をはじめ世界は反グローバル化に向かうのか?経済格差の拡大、ポピリズムの台頭は各国の軍備拡大を招き、戦争への道へと続くのか悲観的な見方が強い中、平和国日本の責任ある立場が問われる。

It is similar to Hitler's remarks in the past when listening to President Trump 's inaugural declaration greeting. And the world seems to be similar to the situation before the Second World War. Will the world head toward anti-globalization, including the withdrawal from the UK in the EU? The responsible position of the peaceful country Japan is questioned, as the economic disparity expands, the rise of populism invites expansion of armaments of each country, whether pessimistic view is strong whether it will continue to the way to war.

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