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2017年4月13日 (木)

米国シリア政権軍攻撃・どう見るのか・・・根本的なシリア問題解決が必要だ

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47日(金)、米国トランプ政権によるシリア・アサド政権軍へ巡航ミサイル 「トマホーク」 による攻撃が行われた。アサド政権が敵対する反政府勢力に対して化学兵器を使用したことに対する牽制であり、これ以上化学兵器を使用させないように戒めでもあった。

2011年シリア内線が始まって以降、米国は反体制派を指示して来たが、アサド政権による化学兵器使用の疑惑が幾度か浮上して来たにも拘わらず、オバマ政権は軍事介入を見送り、ロシアなどとの和平協議に軸足を置いていた。今回、軍事介入することにより、オバマ前政権の政策を転換したのである。

アサド政権による化学兵器使用の疑惑が持ち上がっても、国連での討議では、常任理事国の足並みがそろうことがなく、適切な対応を打ち出すことは出来ないのが現状である。

無力な国連の対応を見て、西側諸国 (英国、フランス、ドイツ、日本) は米国のミサイル攻撃を支持している。特に、欧州諸国はシリアの難民問題で困っているので、シリア内戦を早く終わらせる事が喫緊の課題である。

シリア内戦は、「アラブの春」 と言われる201012月に、チュニジアで発生した反政府デモを発端に、アラブの大多数の国に伝搬した大規模抗議デモや反政府集会が始まりである。

20111月には、チュニジアのベンアリ政権が倒れた (ジャスミン革命)、同年2月にエジプトのムバラク政権、同年8月にリビアのカダフィー政権、同年11月にイエメンのサレハ政権が倒れるなど、アラブ地域の長期独裁政権が相次ぎ崩壊して行った。

一方、民主化要求を受け入れた、バーレーン、ヨルダン、モロッコ、等々の国では、憲法改正が実現、国民向けの補助金支給、閣僚入れ替え、選挙権拡大などの改革を実施した国もある。

しかし、シリアではアサド独裁政権と反政府勢力との間で、2011315日内戦が起き、その後現在までの約6年間継続している。この間に、500万人を越す難民が発生し、国土は荒廃・荒れ放題となっている。発生した難民の多くは欧州諸国へ流れ込み、欧州諸国の負担となっている。

米国や欧州諸国は、アサド独裁政権の崩壊や民主化を支持しているが、アサド政権に対する国際制裁ではロシアと中国が反対するなど、国際社会の対応は一枚岩となっていない。

特に、ロシアはアサド政権を公然と支援し続けている。アサド政権はロシアのお得意さまであり、ロシアから戦闘機をはじめとする軍需物資を調達しているのである。もう一つ、イランがアサド政権を支えている。これはイスラム教シーア派という繋がりから来ているのである。

従い、今回の米国のミサイル攻撃に対して、ロシアとイランの 「合同指令センター」 は声明を発表し、米国は 「レッドライン(越えてはならない一線)」 を越えたと批判し、いかなる新たな攻撃にも対応する意思を示している。

声明では更に、米国の攻撃はシリア全土の 「解放」 を目指すロシアとイランの兵力を抑えることはできないと主張し、ロシアとイランが改めてアサド政権の存続に向け連帯を示しているのである。

シリア内戦には、20146月よりIS (イスラミック・ステート) も加わり、いわゆる三つどもえの戦いになり複雑さが増している。米国による一回の軍事介入そこらで解決するような単純な状況ではないのである。

しからばどうすれば良いのだろうか?シリア内戦にロシアの介入を止めさせることが一番の特効薬であると思っている。しかし、これは最も複雑でやっかいな問題でもある。欧州とロシアの対立、米国とロシアの対立、等々が絡み合う問題でもあり、一筋縄では解決しようがない。

トランプ政権・ティラーソン国務長官は、まずここから問題解決を始めようとしているようであるが道筋は正しくても、おいそれと 「はい、そうですか」 と片づくようには到底思えないのである。

長年に渡って続く内戦により、国土は荒廃し、民衆は路頭に迷うような状況下でありながら、何故アサド大統領は独裁継続をしようとするのだろうか?理解に苦しむのである。アラーの神に解決を願うより方法がないのだろうか?

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