トランプ氏、パリ協定離脱を表明・・・「歴史的過ち」である
6月2日未明、米国トランプ大統領は、地球温暖化の新しい国際枠組み「パリ協定」から離脱することを正式に表明した。トランプ氏は、選挙戦の時から、地球温暖化はでっち上げだと主張し、脱退を唱えていた。
トランプ氏は大統領に就任すると同時に、公約であった 「米国第一」 政策を推進して来た。その一環としてパリ協定から脱退をするものである。即ち、パリ協定は「非常に不公平だ」として「米国に不利益をもたらし、他国の利益となる」などと非難し公約実現を正当化している。
195カ国が署名した同協定から、世界第2位の二酸化炭素排出国である米国が抜ければ、地球課題の温暖化対策は大きな打撃となる。更に、オバマ前大統領が約束した、途上国の温暖化対策を支援する緑の気候基金に30億ドル(約3,300億円)拠出する案件も白紙に戻したのである。
トランプ氏は、先月末行われたG7(主要国首脳会議)で欧州の各国首脳から協定にとどまるよう説得されていたが、これには応じず米国第一の主張を貫いた。ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、英国のメイ首相、等々と相次いで電話協議し、パリ協定からの離脱を伝えた。首脳らは「遺憾の意」を表明した。
一方で、トランプ氏は、「再交渉を始めて公正な協定を結びたい」とも提案したのであるが、メルケル首相を含む独仏伊の3首脳は、即座に連名で声明を発表し、「パリ協定は再交渉出来ない」 とトランプ氏の提案を拒んだのである。ヨーロッパの首脳がこうした毅然たる態度で拒否したのは高く評価すべきである。
「米国第一」 政策を言い換えると、米国さえ良ければ他国はどうなっても良いという政策である、果たしてこれで良いのか?温暖化対策は世界全体が直面する共通課題である。
即ち、地球とは唯一無二 人類が生存出来る 「宇宙船」 である。天の川銀河系に例え地球に匹敵する場所があったとしても人類は移り住む事は不可能である。と言う事は、地球環境は人類が存在する限り、未来永劫に守らねばならないのである。現存する人間だけさえ良ければ良いと言う単純なものではない。
温暖化防止は、この地球環境を守るメンテナンス作業である。トランプ氏が言う、米国の石炭労働者の雇用を守ると言う単純な発想でこれを止めると言う事は
「歴史的過ち」 である。
トランプ氏が大統領になると、こうしたことが起きるのではないのかと危惧していた。従い、米国大統領選挙でトランプ氏が大統領になることには反対であった。残念ながら、ロシアのサイバー攻撃
(ロシアゲート疑惑) の影響?でクリントン氏が落選してしまった。当時、オバマ前大統領は、ロシアにサイバー攻撃を止めるよう再三警告していたのであるが実を結ばなかった。
しかし、米国の世論調査では、パリ協定残留派が7割弱、離脱派は1割強、と大多数の人々は正常な判断を下している。更に、IT企業を中心とする、米国の産業界は「温暖化対策を継続」を掲げ、環境技術開発を見直す動きは少なく救われる思いである。
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