第48回衆議院選挙についての雑感
10月22日第48回衆議院選挙が終わった。今回の選挙について雑感を述べてみる。自民党が圧勝し、連立を組む公明党と合わせると313議席という3分の2を越す絶対安定多数となった。事前にここまで与党が圧勝するとは全く予想出来なかった。
と言うのは、選挙前 安倍政権の不支持率が支持率を上回っていたからである。森本、加計、疑惑隠し問題で自民党の票は過半数ギリギリまで落ち込み、安倍首相の責任問題まで発展するのではないかと予測していたが、全く予測外れの展開となった。
と言う事は、森本、加計、問題は一般の有権者に取って実質的な損得勘定と言った痛手を与えたのではなく、政治倫理という精神的なダメージのみであり、実際の投票行動には影響を与えなかったのではないかと思われた。
一方、希望の党については、代表である小池氏の政治姿勢に問題があり、東京都知事選、東京都議選、のように簡単に勝利に結び付ける事が出来るとは思っていなかった。それに、政治資金、組織、選挙参謀(スタッフ)、が揃っていない中で全国展開など出来るはずがないと思っていた。
結果を見ると、希望の党で当選したのは、民進党から合流した前職や元職がほとんどで希望の党オリジナルメンバーの当選は僅かである。小池氏の最側近と言われ、希望の党設立メンバーであった若狭勝氏すら落選している。
希望の党の公約は、ほぼ自民党と同じで、違うのは消費税凍結と原発を2030年迄に中止する の2点であり、全く自民党の補完勢力である。どこに存在価値があるのだろうか?と疑問を抱いていた。
自民党がやろうとしない、東京一極集中を防ぐための施策、即ち
首都機能移転、道州制の導入、政府機能の地方分散、御所を京都に戻す、等々を掲げて戦うのであればそれなりの価値を見いだせると思っていたのであるが。
これから始まる選挙総括に当たっては、小池氏への風当たりが強くなり、代表を辞めざるを得なくなるのでと推測する。小池氏に頼るのではなく、民進党から移った本来の国会議員メンバーが主力となり、党の綱領から見直すべきである、党名についても同様である。
希望との合流を決意した前原氏にも応分の責任がある。小池氏の政治・選挙手法は、一種の風頼りであり、東京都と言う狭い区域であれば通用するかもしれないが、全国区と言う広い範囲では簡単に風を吹かす事は出来ない。これを前原氏は読み誤り、組織や資金がないのにも関わらず、安直に合流を選択した訳であり、責任を取らざるを得ないと思う。
小池氏から 排除 された枝野氏は、自分から立憲民主党を立ち上げ、公示前の勢力15名であったのを55名まで勢力を伸ばした。野党第一党と言うポジションを築き上げたことは立派であると褒めてあげたい。
一方、維新は希望と選挙協力をして大阪と東京ではお互いに候補者を立てない戦いをしたのであるが、大阪では15の選挙区で自民と激突、結果は小選挙区で3つしか勝てず、トータルしても公示前の議席14を下回り11議席の獲得に終わった。
松井代表の懸命の戦い・努力にも関わらず、大阪でもかつての維新の勢いを取り戻すことなく、僅差で自民党に敗れる選挙区が目立った。以前、カリスマ的代表であった橋下徹氏が引退した結果、その影響がかなり出て来ているのではないのだろうかと推測するのである。
この調子で行くと、再来年行われる予定の大阪都構想に関する選挙・戦いでも維新が勢力を伸ばし、勝利に導くことが難しくなるのではないのだろうか?と危機感を抱かざるを得ない。
以上が第48回の衆議院選挙の結果感じた雑感である。
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