ヘンリー英王子結婚についての感想・・・多様性を受容する英国社会に驚く
2018年5月19日、英王室のヘンリー王子(33歳)と米国人女優メーガン・マークル(36歳)さんがロンドン郊外ウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げた。英王族と米女性の結婚は約80年ぶりであり、慣例にとらわれない「開かれた王室」像を印象づけた。
このニュースを見聞きし、二人の経歴が色々な面で、私を含め一般の日本人が考える常識と大きくかけ離れていると感じ驚かされた。
まず、ヘンリー王子の経歴であるが、名門私立イートン校を卒業後、オーストラリアの牧場で働いたり、レソトの孤児院で奉仕活動を行ったりした。その後アルゼンチンに渡ったが、飲酒と誘拐未遂を理由に帰国させられた。
帰国後、2005年にはサンドハースト王立陸軍士官学校に入学、2006年4月に卒業、その後近衛騎兵連隊ブルーズ・アンド・ロイヤルズに配属された。
同連隊は儀礼的任務だけでなく戦闘地域における任務にも投入されており、ヘンリー王子のイラク派遣も一旦決まったが、イスラム過激派等がヘンリー王子を標的に攻撃すると予告したため取り止めとなった。
2007年末からアフガニスタンにおけるタリバン掃討作戦に極秘に加わっていた。ヘンリー王子は前線航空管制官としてタリバン部隊への爆撃を誘導する任務に就いており、これは相当の危険が伴うものであった。
イギリスのメディアとは協定が結ばれ派遣の事実は公表されていなかったが10週間後にアメリカのインターネットメディアが記事を載せたのをきっかけに大手メディアも報道を開始した為帰国した。
この時点で、ヘンリー王子は英王室の王位継承順位第3位であった。王位継承順位第3位の人物が陸軍士官学校へ入学、その後軍隊へ入隊し、実践部隊へ派遣されることなど、日本の皇室を例に取ると、とても考えられない事である。
ヘンリー王子の結婚相手のメーガン妃の経歴も異色である。アイルランド/オランダ系の父親(白人)と、アフリカ系の母親(黒人)のもと米ロサンゼルスで生まれ育ったバイレイシャル(両親の人種が異なること)の米国人女優である。
2011年に映画プロデューサーと一度結婚し2013年離婚した “バツイチ” でもある。二人が出逢ったのは2016年の夏、ブラインドデートだったようです。
王子が 「一目惚れ」 と告白していますが、2016年11月には 「ガールフレンド」 と王室が認め、2017年11月あれよあれよと言う間に婚約に至りました。伝統と格式を重んじる英王室に取っては異例中の異例だったようです。
二人の結婚については、当初反対論も一部で浮上していたようですが、メーガン妃の気さくな人柄や慈善事業に積極的な姿が好感され、世論は王室入りを歓迎するように変わって行ったのようです。
結婚式では、親族、親しい友人約600人が参列、政治家は一人も招かれなかった。そして、一般市民と
「お祝いを共有したい」 とのヘンリー王子らの意向で、慈善団体の関係者ら千人以上も城の敷地内に招かれた。メーガン妃は父親が体調不良で式を欠席した為、チャールズ皇太子に手を引かれてバージンロードを歩くと言うハプニングもあった。
元々英国社会は、日本と比較し多様性を受け入れる社会であるが、日本の常識とあまりにもかけ離れ過ぎていて、どう評価したら良いのだろうか?驚きと共に途惑うのである。
日本の良き伝統は継続して行くべきであるが、硬直し過ぎた考え・形式だけで守るのではなく、時代と共に多様性を加味し、世論が納得する方向へ変えて行くことも必要であると思う。
« 米朝会談の日程と場所が決定・・・シンガポールは最適な場所だろうか? | トップページ | 注目の米朝会談が行われた・・・非核化と平和体制構築は実現するのだろうか? »
「気になるニュース」カテゴリの記事
- インド、無人探査機で月面着陸成功・史上4カ国目・・・日本の次の予定はどうなる?(2023.08.27)
- 著名な歴史学者も予測出来なかったロシアのウクライナ侵攻・・・いっきに常識が変わった(2022.05.15)
- 第5波コロナ感染者急速に減少・9月末で緊急事態宣言が解除・・・減少の原因は?(2021.10.10)
- コロナ・ワクチン接種・大騒動中に・・・今年も半年が経過 今後の見通しは?(2021.06.30)
- 「勝負の3週間」・・・新型コロナウイルス抑制は出来るのだろうか?(2020.12.13)
« 米朝会談の日程と場所が決定・・・シンガポールは最適な場所だろうか? | トップページ | 注目の米朝会談が行われた・・・非核化と平和体制構築は実現するのだろうか? »
コメント