大相撲名古屋場所明暗を分けた二人・・・明とは大関・照ノ富士/暗とは横綱・白鵬
2021年7月18日、大相撲名古屋場所・千秋楽結びの一番で全勝同士の横綱・白鵬VS大関・照ノ富士戦が行われ、大横綱である白鵬が汚い手を使い、大関・照ノ富士を破って全勝優勝を果たした。
汚い手とは、以前から指摘されていた右肘で顔面を狙う行為である。あれは“かちあげ”という技ではない。非情に危険な行為である。照ノ富士も一瞬フラッとしたが、大きな照ノ富士だから大丈夫だったけれど、相手によってはこの一発で相撲人生が終わってしまうくらいの危険なことである。
続いて今度はなりふり構わぬ左右からのビンタのような張り手。そして、一瞬の隙をつき右四つに組んだ。ガムシャラに出てくる大関の圧力に上手が切れる。最後は相手の右腕を両腕で抱え込み、後ずさりしながら振りほどくような小手投げで決めた。
本来の横綱であるべき姿としては、正々堂々と相手を受け止め、相手に攻めさせ、その後反撃して相手をねじ伏せると言うのが正攻法として求められるのである。
かつての大横綱・双葉山は、後の戦といわれる戦い方で相手を倒していた。同じく大横綱・大鵬も姑息な手段を使うことなく堂々と相手と対峙し勝利していた。
かつて白鵬は「相撲道」とか相撲愛」を言葉にしていたけれど、45回の優勝を果たした大横綱としての言葉とは思えない。
昨日の大関・正代戦でも「奇策」な手段、立ち会いで仕切り線から土俵際まで下り、相手の圧力を封じるように距離を取り、左、右、と強烈な張り手で相手をぼうぜんとさせ、最後は右を指し浴びせ倒した
解説の尾車親方も言っていたが、まるで「初っ切り」である。「初っ切り」であればまだ笑いもあり楽しめるが、この相撲は背筋が寒くなるような、実に後味が悪い一番であった。
日本相撲協会の八角理事長は、史上44度の優勝を誇る大横綱・白鵬に対し、「普通、奇策は弱い者がやるもので大横綱ともあろう者がすべきではない」と苦言を呈していた。
2021年7月19日、横綱審議委員会の定例会が都内で開かれた。白鵬については進退を懸けた場所での復活優勝となったが、横審の委員からは横綱の品格について批判の声が相次いだ。
結局、最後理事長が白鵬を呼んで厳重注意することになった。以前にも白鵬については、「肘うち」を止めるように警告され一時は止めていたのであるが、ここに来て再びなりふり構わず行っている。
白鵬が長い間懸けて築いて来た大横綱と言う地位を一瞬にして吹き飛ばしてしまった。過去の栄光は、名古屋場所の最後の二日間で雲散霧消してしまった。これが「白鵬」についての暗部である。
一方、大関・照ノ富士については、横綱審議委員会は全会一致で横綱に推薦し、第43代横綱への昇進が確定した。矢野委員長はオンラインで記者会見し、「少しも浮ついたところがなく、きっと立派な横綱になってくれる」と語っていた。
照ノ富士は、両膝に怪我を負い、両膝にサポータが巻かれ怪我は完治していない。しかし一病息災、強引な相撲が減った代わりに、緻密さが加わり、取り口の幅が広がった。膝の爆弾と付き合うようになってからは、基礎運動やトレーニングにも一層熱心に取り組んでいる。
照ノ富士に期待することは、白鵬のような「肘うち」、「張り手」と言った汚い手を使うことなく、横綱・大鵬のように堂々と受けて立ち正攻法で攻める相撲を取って欲しい。白鵬が崩した横綱の品格を取り戻してもらいたい。
横綱昇進を機会に白鵬を上回る横綱になる努力をし、名古屋場所で敗れた借りを返し、大横綱として堂々と前へ進んでくれることを望むものである。これが、「照ノ富士」についての明部である。
千秋楽 結びの一番 立合い 白鵬の肘うち瞬間
14日目 横綱・白鵬 VS 大関・正代 戦の立合い
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