世界で著名な高齢者が半月の間に3名亡くなった・・・少し振り返って見る
2022年8月24日、京セラの創業者でJALを再建した実業家の稲森和夫氏(90歳)、2022年8月30日、旧ソ連最後の最高指導者(元大統領)ミハエル・ゴルバチョフ氏(91歳)、2022年9月8日、英国の女王エリザベス2世、滞在先の英北部スコットランドのバルモラル城で死去(96歳)、等々である。
1.稲森和夫氏は鹿児島大学工学部卒業後、会社員を経て1959年に京都セラミック(現京セラ)を設立し、1966年に社長に就任した。組織を小集団に分けて収益の管理を徹底する「アメーバ経営」とM&A(合併・買収)を原動力に京セラを世界的な企業に育てた。
通信の自由化をにらみ1984年に第二電電を設立して通信事業に参入した。KDDなどと合併を経て現在のKDDIを誕生させた。
「日本を良くするには政権交代が可能な国にすることが必要」との思いで旧民主党を支援。民主党が与党となった2009年に行政刷新会議の議員に就き、内閣特別顧問も務めた。
2010年からは会社更生法の適用を申請した日本航空の会長に就き、JALの再建を成し遂げた。この件については、私のブログ2013年2月21日付 「日航を再建した稲森氏の迫真ルポを読んで」(クリックすると繋がります) により詳しく記述していますので参照頂ければと思います。
そして、三洋電機に関わることですが、三洋電機で行っていた携帯電話事業を2008年4月1日付で京セラへ売却が決定しました。この件も私のブログ2008年2月1日付 「三洋 携帯電話事業 売却」(クリックすると繋がります) を参照して頂ければ幸甚です。
2.ミハエル・ゴルバチョフ氏は旧ソ連最後の最高指導者であった。東西冷戦を終結に導いた政治家の人生は勝利と挫折、信念と妥協という二面性がつきまとうものだった。
1985年に54歳の若さで最高指導者である共産党書記長に就任。立て直しと情報公開を意味するペレストロイカとグラスノスチを掲げ、政治・経済改革を断行した。
ゴルバチョフ氏が東欧の民主化や東西ドイツの統一などヤルタ体制に代わる新たな秩序作りの立役者であることは間違いない。即ち、冷戦を終結させた立役者であった。
しかし、急激な変化には障害が多すぎた。はびこる官僚主義、保守派の抵抗が立ちはだかった。誤算は、自らが動かした歴史の歯車が志向した枠を大きく超えて回転し、理想と現実とのギャップが広がり、ソ連は崩壊に向かった。
残念であったのは、米・露による冷戦構造が一旦は解消され、主要8カ国(G8)に加わったが、北大西洋条約機構(NATO)拡大への不満が政権内を支配し西側との関係が悪化した。
その行き着く先が今年2月に始めたウクライナ侵攻だ。プーチン氏はゴルバチョフが捨て去った帝国主義的な野心を再びあらわにし、時計の針を逆回転させている。
3.エリザベス2世は、英国女王として在位70年7ヶ月君臨した。歴代の英国君主としては最長だった。
1926年(昭和元年)、即位前の英国王ジョージ6世の長女として誕生。1947年(昭和22年)フィリップ殿下と結婚。1948年(昭和23年)長男チャールズ皇太子を出産。1952年(昭和27年)ジョージ6世死去、25歳で英国女王に即位。1953年(昭和28年年)戴冠式が行われた。
1975年(昭和50年)日本を初訪問、京都などを訪れる。1981年(昭和56年)チャールズ皇太子がダイアナ妃と結婚。1997年(平成9年)皇太子と離婚したダイアナ妃がフランスで事故死した。
2007年(平成18年)英国史上最高齢の君主に。2012年(平成24年)ロンドン五輪で開会宣言。2015年(平成27年)在位期間が英君主として最長に。2021年(令和3年)フィリップ殿下が99歳で死去。
2022年6月在位70年を祝う行事「プラチナ・ジュビリー」が開催される。2022年9月6日トラス氏を新首相に任命。2022年9月8日英スコットランドのバルモラル城で死去した。
女王は旧植民地諸国を軸とする連合体(コモンウェルズ)に所属するオーストラリア、カナダなど15カ国の元首でもあった。各国のトップなどとも積極的に会い、英国のソフトパワーを示してきた。
女王は王室の近代化を進め、バッキンガム宮殿を一般見学用に開放したほか、直系男子優先だった王位継承制度も男女平等に変えた。SNS(交流サイト)での情報発信にも力を入れた。
日本の皇室との交流も深く、昭和天皇、上皇さま、天皇陛下の3世代にわたって交流が続いた。第2次世界大戦で戦火を交えた歴史を乗り越え、両国の国際親善に務められた。
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