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カテゴリー「ニュース」の記事

2009年2月20日 (金)

沸騰都市

2/152/16、の2日間、NHKスペシャルで「沸騰都市」シンガポールと東京が取り上げられ放送された。

シンガポールの副題は「世界の頭脳を呼び寄せろ」であり、東京の副題は「TOKYO MONSTER」であった。両都市に共通して言えることは、100年に一度と言われる不況下であるにも拘わらず、インフラ整備、将来への投資活動が中断することもなく継続して行われ、将来への布石が着々と打たれていることである。

シンガポールでは、バイオポリス計画、フュージョンポリス計画、巨大カジノリゾートと言ったプロジェクトが国家主導の長期投資として遂行され、将来の国家繁栄の礎として育てられている。これらのプロジェクトを成功裏に進めるには、優秀な人材が不可欠であり、世界から才能のある人々を呼び寄せ、研究開発に制限を設けず支援を行っている。一方、徹底した能力主義のもと、世界に冠たる人材大国を打ち立てようとしている。シンガポールの一人当たりのGDPは、2年前の2007年に日本を追い抜き現在アジアNO.1となっている。まさに、アジアの沸騰都市の一つである。

一方、東京は一極集中のメリットを生かし、人・物・金が集まり不景気のさなかであるにも拘わらず、100を超える開発プロジェクトが進行中である。特に、丸の内地区は1.2㎢の中に76社を超える巨大企業の本社が集結し、超効率的な経済活動が行われている。更に、交通渋滞を緩和するため、地下鉄網のすきまをぬう形で地下に高速道路道路網の建設が続けられている。また、高層ビルの建設ラッシュで高層ビルが点から線へ更に面へと広がり、超効率都市を目指して膨張をし続けている。まさにTOKYO MONSTERと言うにふさわしい沸騰都市の一つである。

翻って、我が大阪を見た場合どうであろうか、現在の橋下知事が就任する迄は、横山ノック知事、太田房江知事、と大阪の発展をリードすると言うよりも財政赤字でキュウキュウとする府政運営で大阪の地盤沈下が進み、東京との差が開く一方であった。2008年より橋本知事が登場し、財政非常事態宣言を行い財政再建に取り組み始め、やっと財政赤字に終止符が打たれようとしている。しかし、世はまさに100年に一度の不況下、財政を削っても税収が減るため厳しい状況が続いている。

こうした、財政再建途上にある中で、橋本知事は大阪市と提携し現在大阪市の荷物となっているWTCビルの再活用を図り、大阪府庁舎をWTCビルに移転させ、大阪のWaterFront 地区の活性化を提案している。大阪府庁舎は、耐震基準を満たしていないので、改築工事あるいは建て替えを行わなければならない。こうした費用の節減をも視野に入れ提案しているものである。

費用をあまりかけずに大阪の活性化を図る一つの案であり、私は賛成である。府庁舎がここに移転すれば、大阪オリンピック計画が頓挫したことにより、今現在閉塞感いっぱいで停滞しているWaterFront開発に弾みがつきもっと活性化される二次効果が期待される。

現在、大阪で開発が積極的に行われているのは、大阪駅周辺(大阪駅北ヤード)、難波駅周辺、近鉄阿倍野駅周辺、と言う大阪の中心市街地である。これに湾岸地域が加われば相乗効果が期待される。当然、交通アクセスをも考慮した開発計画でなければならないが。

そして、更なる課題は関空の活性化である。これについても、橋下知事は積極的に動き活性化を図ろうとしているが、まわりの者があまり関心を示さず停滞している。もともと、関空を作る動機となったのは、伊丹空港の騒音問題を根本解決する為であったが、いざ関空が出来、伊丹から航路を移そうとすると、周辺自治体は税収が減る、便利さが失われる、等々の理由を上げ反対している。当初の目的から見ると本末転倒である。

関空の問題点はアクセスが非常に悪いことである。大阪都心部(梅田or新大阪から)30分で行けるように早急に手を打つべきである。これの一つの案として、大阪湾岸にリニア新幹線を走らせ、将来の府庁舎となるWTC迄は15分、更に新大阪まで15分で行けるような案はどうだろうか?費用をどこから捻出するかが問題であるが?

いずれにしても、メイン空港、港、道路、ビジネス地区、繁華街、等々を含めた開発全体計画を策定し大阪の活性化を進め、20年後位に沸騰都市として取りあげられるようになってほしいものである。財政再建と共に進めなければならないため前途多難であるが、大阪に住む者として将来の夢物語ではなく、若くて行動力のある橋下知事に期待したいものである

2008年10月 5日 (日)

総理大臣の資質

総理大臣が1年の間に3人も変わるという前代未聞の状況が発生した。たとえ理由が何であれ、全身全霊を打ち込み命を賭して最後まで責任を全うするという気概が初めからないのであれば、総理大臣などに立候補しなければよい。
 さらに残念なことには、2~3世の世襲総理が4代も続くことである。世襲議員というのは、親の選挙区を引き継ぐため、何の苦労もなく、地元に住むことなく東京に住んでいて、地元の周りの人間に選挙を任せておいても当選するので、選挙の苦労を知らずに当選してきている。従い、世の中の厳しさ、苦労を知らずに代議士になっているため、ハングリー精神などみじんも感じられない。

 そうした中で、小泉首相は自民党をぶっ壊すと改革を進めて来たので、最近の首相の中では一応評価してきた。所が、最近引退を発表した。理由は子息を後継者にしようということである。せっかく評価した首相であにも拘わらずあれほど批判されている世襲を自ら行うのである。評価を見直さざるを得ない。

 最近のNBオンラインのコラムに載った記事で同じような論調の記事が2つ在るので紹介する。1つはコラムニスト「宮田秀明」氏の「小泉もと総理の引退はプロの引き際にあらず」である。一部抜粋して紹介すると、

 今度の小泉元首相の引退は、彼に対する評価を半減させたと思う。トップは常に孤独だし周りの政界は曲者だらけだったり、人間的に能力的にも問題の多い人物の渦巻く世界だろうから、嫌気が差すこともあるだろう。でもこんなふうに引退していいものだろうか。最後までプロであり続けようとした美空ひばりや野茂英雄の方がはるかに偉いのではないだろうかと思う。

 子息を後継者にしようとするのも評価できない。古い自民党を壊すと言っていたことと矛盾する。古い自民党の最もまずい体質の1つが政治家の世襲である。2世3世のおぼっちゃま政治家が増えすぎて、政治家の人材の劣化の進行が止まらないのに、小泉さんまで子息に世襲を行うのだろうか。自民党をぶっ壊した功績は大きかったが、これに対する評価を自分で半減させてしまった。
 小泉さんは無責任ではないかとさえ思う。もし改革路線を引き継ぐ後継者がたくさん育ってきている状況なら分からなくもないが、竹中さんも去り、旧態依然とした自民党に戻る流れが目立ち、新首相は無神経に小泉改革を否定し、古い政治スタイルを掘り起こそうとしている。

 一方で、日本経済は下降速度を早めている。貿易収支(20088)は赤字に転落し、国際競争力の低下傾向は変わらず、1人当たりの国民所得も伸びていない。物価は上がり、国民所得の疲労感は増え続けている。日本はかなり厳しい危機の中にあると言うことは明白だと思う。こんな状況で、プロの道から逃げ出すような引退は全く評価できないのではないか。闘士は最後まで闘ってこそ闘士だ。

 
もう1つは、同様にNBオンラインのコラム記事で「関橋英作」氏の「王監督を日本の監督にしませんか?」である。一部抜粋して紹介すると、

 
誰がなっても同じ。この言葉が日本の政治家すべてを物語っています。それほど、日本には人材がいないのでしょうか。もしそうだとするば、日本人にとってこれほど怖いことはありません。何といっても、政治家、特に総理大臣は日本の国のビジョンを体現化していなければならないからです。では、日本人は、日本がどういう国になってほしいのでしょうか。経済大国?世界の一流国?世界に貢献する国?環境を考える国?小さいけど楽しい国?みんなで作りあげる国?隣人と仲良くやれる国?みんなが中流の国?人それぞれでしょう。

 でも、大事なのはリーダーが明確なビジョンを持って、それに「責任」を持つ人であること。そうです、1年で総理大臣が3人も変わるような国は、責任という言葉から最も遠いような気がします。そして、もう一つのリーダーの資質は、国民一人ひとりの心の中を感じ取れること。日本人がもともと持っていた「気遣い」です。総裁選で地方に行って、地方は疲弊しているなどと今ごろ話すような人では、気遣いとは縁が薄い。私はこういうことが本当の意味でのコミュニケーションの力だと思っています。それが著しく欠如している。ただ、大きな声で面白いことを言うことだけが、コミュニケイーションではありません。相手のことを念頭に置きながら話す。そうすれば、失言などあるはずがない。こうやって書いていても、寂しくなるばかりです。そこで、あえて王監督のことを考えてみました。引退を宣言され、もうあのユニフォーム姿を見ることはできません。

 「総理の人格」こそが、今最ももとめられることなのだと思います。総理が辞めても何も感じないのが当たり前のようになりましたが、王監督の引退には多くの選手が熱いコメントを寄せいます。

 イチロー選手 「同じ空間にいたことが僕に取っての宝物」
 松坂選手 「この監督のためにと思わせてくれる人柄」
 城島選手 「野球界の父のような存在」
 福留選手 「人を引きつけ不思議な魅力のある人」

 福岡ドーム最後の試合では、ファン全員が「やめないで!」と声をからしました。関東の最後の試合ロッテに行ってきましたが、ロッテの選手全員が握手を求めるセレモニーを行いました。相手チームの監督としては、異例のことです。
 「やめないで!」。こんな総理は、日本には現れないのでしょうか。王監督の人格が、日本という国のブランドをすばらしい人格に変えるかもしれないからです。そうなったときに、日本は大好きな日本になるかもしれないからです。今回は、マーケティングの話からずれましたが、「王さんのファン」のつぶやきと思って許して下さい。でも、王さんの真価は、誰とでも心を開くコミュニケーション力にあるのでしょう。これこそが、社会を変える力。

 
上記に引用した記事の原文は、私のホームページのリンク集の中に載せていますので読みたい人は、参照下さい。

2008年7月 5日 (土)

シンガポールが豊かさアジア NO.1

IMFの調査によると2007年度の1人当たりのGDPはアジアでシンガポールがNO.1になった。天然資源がほぼゼロ、第一次産業もほぼゼロ、という中で積極的な外資。外国人の誘致、市場開放により経済の活性化を図り、日本を抜いてNO.1となった。
 税金について見ると、法人税率18%、所得税の最高税率20%、相続税ゼロ、と日本より大幅に低い税率であるにも拘わらず国の財政は健全である。日本は、高税率でありながら税の無駄遣いにより慢性的な巨額の財政赤字で政治がまひしている。この際、徹底的にシンガポールをベンチマークしノウハウを吸収してくてもらいたいものである。大阪府も負けずに改革に取り組み財政再建を果たしてほしい。

 2008年7月5日 日経記事

No1

2008年3月25日 (火)

JAPAiN(苦痛に満ちた日本)

「JAPAiN」とは、英国エコノミスト誌2月23-29日号の日本特集記事の題名で日本の英語表記に[i」を加えて苦痛(pain」の意味を掛け合わせ、経済の低迷に苦しむ現状を表現したものである。失敗の責任は政治家にあると指摘している。

3月12日付日経新聞記事より、英国エコノミスト誌抄訳「世界第2の経済がいまだにたちすくんでいる・・・」を少し要約引用すると、日本の「失われた10年」が亡霊のように米国経済を脅かしている。日本が世界第2の経済大国にもかかわらず問題の根本的な解決に取り組んでこなかったからだ。日本の低迷ぶりは米国と比べものにならないほど深刻だ。株価の下落をくらべてみると、米国のS&P株価指数は1999年のピークから8%下がっただけであるが、日経平均は1989年のピーク時の1/3である。商業用不動産でも、両者の対比は同様に衝撃的である。
日本経済の停滞は政治家のせいである。現在の景気減速のスパイラルは、日本の構造的な欠陥をあらためて浮き彫りにした。数年前までは、多くの人が日本に期待をかけていた。経済力はまだまだ中国を上回り、超優良企業も少なくない。だから、米国が息切れした時には世界経済の落ち込みを少しは埋め合わせてくれるだろうと考えていたのである。
だが、もはやその期待はむなしい。生産性の低さは目を覆うばかりで、新規投資のリターンは米国の半分程度、消費は相変わらず元気がない。官僚は失態続きで経済を誤らせてきた。日本に必要なのは、市場を機能させ競争を促す改革である。それなくしては経済はまたもや失望をもたらすだけだろう。
日本に必要なのは根本的な経済改革だ。例えば、外資規制の緩和、輸入食品の関税引き下げ、農業補助金の削減、貿易自由化の促進、外資系企業に対する税制優遇、企業を補助金漬けにしている制度の廃止、労働市場の流動性向上、税制規律の強化(現時点の財政赤字はGDPの約180%に相当)、年金基金や保険会社の説明責任の強化、民営化の推進、等々だ。

このエコノミストの記事全文については、リンク集の各種記事へのリンク「JAPAiN」に載せていますので、クリックすると閲覧出来ます。

まさにこの記事の如く日本の政治は現在混迷の極みといった状況に陥っている。暫定税率延長の件、道路特定財源の一般財源化の件、どう解決して行くのか?
暫定税率と言いながら既に30年も暫定が続いている更に10年延長する自民党案であれば暫定という名で40年も続くことになる。これは暫定ではない。常識的に判断すれば暫定とはせいぜい2~3年である。道路行政は自民党の道路族議員による我田引水行政と国土交通省傘下の独立行政法人によって牛耳られてきたが、もうこれらの組織に任せておけない、これらを解体し抜本的な改革を進める観点で解決して行くべきである。
国家予算、地方自治体の予算ともに暫定税率継続前提で予算案が組まれているため今これを廃止するととてつもない混乱が予想される。そうかと言って10年も延長するのは愚の骨頂である。落とし所は、暫定税率の1年延長、道路特定財源の一般財源化である。自民党、民主党ともに意地を張らずに国民への利益還元を最優先するという観点に立って早く解決してすべきである。そしてもっと重要な課題、経済改革、財政再建、といった重要課題にいち早く取り組み新しい道筋をつけてほしい。